AGA(エージーエー) 髪の毛の基礎知識
2017.06.26更新
M字はマッサージじゃ治らない!生え際の後退が止まらない理由とは
みなさん、ただ頭皮マッサージをしているだけで薄毛が治ると思っていませんか?M字ハゲの生え際を揉んでいるだけで髪の毛が復活すると思っていませんか?
実はそんなことはありえないのです。このページではあなたのハゲがマッサージでは治らない理由を解説していきます。
目次
薄毛は頭皮マッサージでは絶対に治らない!
薄毛対策について調べ物をすると確実に目に入ってくるのが「頭皮マッサージ」の文字です。
確かに「自宅で簡単! 道具の要らない頭皮マッサージで薄毛対策・抜け毛予防!」で解説しているように、頭皮マッサージには頭皮へ栄養補給をしている血行を改善する効果があり、髪の毛に栄養が行き渡りやすくなるという意味では抜け毛予防の効果が期待できます。
しかし、その効果を理解した上で断言しますが、頭皮マッサージで生え際の後退が止まることは絶対にありえないのです。
M字ハゲは血行改善じゃ止まらない!
なぜ頭皮マッサージで生え際の後退が止まらないのか。これにはM字ハゲの特徴が関係しています。
生え際が後退するM字ハゲは「AGA」という脱毛症が引き起こす症状のひとつです。
AGAは、生まれ持った個性である「遺伝」と男性ならば分泌されて当然の「男性ホルモン」というふたつの要素が組み合わさって発生しています。
詳しくは「生え際が後退するM字ハゲの原因と治し方」で解説しているのでこちらの記事を参考にしてほしいのですが、簡単に言えば「男性ホルモンを抜け毛誘発物質に変えてしまう遺伝子」というものがあって、それを遺伝している人は本来なら無害なはずの男性ホルモンが抜け毛を引き起こす物質に変わってしまうんですね。
これはもともと生まれ持った遺伝形質と健康な男性なら分泌していて当たり前の男性ホルモンが組み合わさって起こる抜け毛であるため、身体が健康だろうと栄養補給がバッチリだろうと止まることはありません。
要するに、AGAによる抜け毛の原因は血行の悪化ではないので、頭皮マッサージで血行改善をしても解決できないのです。
M字ハゲの対策は医学的な治療しかない
M字ハゲを治す方法は「ハゲは医学で治療可能!AGA治療の種類と効果まとめ」でまとめているように、
- プロペシア(フィナステリド)とミノキシジルによる発毛剤治療
- 自毛植毛による毛の移植手術
のふたつしかありません。
発毛剤治療は「AGAの原因である男性ホルモンを作り出している酵素のはたらきを阻害する」という治療法で、自毛植毛は「AGAの影響を受けない毛を移植する」という方法です。
このふたつはいずれも「M字ハゲの原因を根本から対処していく方法」であり、増毛やかつらで隠すのではなく自分の毛を復活させたいと思うのであればどちらかを選ぶ必要があります。
先ほど言ったように、どれだけ身体が健康だろうと問答無用で生え際が後退していくのがM字ハゲです。健康体でも起こってしまうのですから、生え際の後退を止める方法は薬や手術しかありません。
「頭皮に良いことをしていればいつか元に戻るんだ」という考えは捨て去らなければならないのです。
生え際の後退は薬で治せ!M字ハゲの男性が絶対に知っておくべき発毛剤治療
AGAの対策は治す方法、隠す方法などいくつかありますが、生え際の後退を治療する場合に絶対知っておきたいのが発毛剤治療です。
発毛剤治療は「日本皮膚科学会」という皮膚科の医師が集まる学会で制定された男性型脱毛症診療ガイドラインにおいて「行うよう強く勧められる」を意味するAランク(5段階でもっとも良い)となっており、現代の医学では発毛剤治療がもっとも有効なAGA治療となっています。
また、生え際の後退を治療するために自毛植毛を選んだ場合でも手術部分以外の脱毛が進行するのを防ぐために発毛剤治療をしなければなりません。
要するに、M字ハゲの治療を行う場合はどの治療方法を選択しようと最終的に発毛剤治療は避けては通れないのです。
生え際の後退を止める薬「プロペシア(フィナステリド)」
「フィナステリド」は生え際の後退を止めることができる成分で、「プロペシア」や「フィンペシア」、「ファイザー」といった薬品名で流通しています。
簡単に言えば、プロペシアはAGAの原因となっている男性ホルモン「DHT」が作られなくなるようにする薬で、AGAによる抜け毛を止める効果を持った薬です。
直接的に髪の毛を生やすわけではないのですが、抜け毛がなくなるので生え際の後退が止まりますし、後退してしまった部分の毛もゆっくりと元に戻っていくようになります。
もっと詳しい情報については「プロペシア(フィナステリド)を徹底解説」の記事で解説しているのでこちらを参考にしてください。
毛が生えてくる文字通りの毛生え薬「ミノキシジル」
AGAの原因を阻害する効果を持っているプロペシアとは対照的に、直接的に毛を生やす効果を持っているのが「ミノキシジル」です。
実はミノキシジルは「高血圧の薬を作っていたら副作用で毛が生えてくる薬ができてしまった」という歴史を持つ薬で、今でも毛が生える仕組みはよくわかっていません。
ただとにかく「毛が生える」ということで薄毛の治療薬として認められることになったのがこのミノキシジルという薬です。
ミノキシジルには塗るタイプと飲むタイプがあり、塗るタイプであれば「リアップ」という名前で大正製薬から販売されています。薬局やドラッグストアに行けば医師の処方箋なしに買うことができるので、病院には行きたくないけど治療はしたいという人のスタートラインにはもってこいの薬です。
一方で飲むタイプ(通称ミノタブ)は毛を生やす効果が塗るタイプよりも圧倒的に強いというメリットがあるのですが、同時に「身体全体が毛深くなる」という致命的なデメリットを抱えているため、実は日本では発毛剤として認可されていません。
毛深くなってもいいから効果が強い方がいいんだ!という場合は海外から個人輸入するか、薄毛治療を専門に行うAGAクリニックで処方してもらう必要があります。
ミノキシジルはただ「毛を生やすだけ」という性質上、AGAの進行を抑えるだけのプロペシアと相性が非常に良く、薄毛治療ではプロペシアとミノキシジルの併用がもっとも推奨されています。
ミノキシジルは毛を生やすことができますが、AGAによる抜け毛を止めることはできません。
一方でプロペシアはAGAの原因を止めることはできますが、髪の毛を生やすことはできません。
つまりプロペシアで生え際の後退を止めて、ミノキシジルで毛を生やすという組み合わせで薄毛治療の相乗効果が見込めるのです。
ミノキシジルについては「ミノキシジルを徹底解説」で徹底的に解説していますので、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。
プロペシアが効かなかったときに使う「ザガーロ(デュタステリド)」
生え際の後退を治療できる薬にはもう一種類「ザガーロ(デュタステリド)」というものがあります。
ザガーロはプロペシアと同じく生え際の後退を止める効果を持っているのですが、その効果がプロペシアよりも強いという特徴を持っています。
じゃあ最初っからザガーロ使えばいいじゃん、と思われるかもしれませんが、ザガーロには「プロペシアの4倍くらい副作用が出やすい」というデメリットもあるんですよね。
プロペシアが効く人はプロペシアだけで十分に生え際の後退が止まることもあって、ほとんどのクリニックではザガーロはプロペシアが効かないときに処方する薬となっています。
ザガーロの詳細は「ザガーロを徹底解説」
の記事でまとめていますのでもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。