AGA(エージーエー) 抜け毛 髪の毛の基礎知識
2017.03.18更新
道具要らずの毛根チェックで薄毛診断!異常な抜け毛の見分け方
今までまったく気にならなかったのに、いったん気にしだすと毎日増え続けているように感じてしまう抜け毛。
増えた抜け毛を目にすると「これは今までのように問題のない抜け毛なの?」とか「それともこの抜け毛は薄毛の始まりなの?」という疑問が浮かび上がってくるのではないでしょうか?
とはいえ、自分が薄毛なのかどうかは気になるけど、わざわざ病院に行って診断してもらうのは面倒だし気が進まないという方も多いと思います。
そこでこのページでは、
「自分の抜け毛が異常なのかどうか知りたい」
「自分がどんな種類の薄毛なのか、病院に行くことなく知りたい」
という人のために、自宅でできる簡単な抜け毛チェック方法や抜け毛の予防・対策をご紹介します!
目次
抜け毛チェック前に押さえておくべき2つのポイント!
抜け毛チェックは闇雲に抜けた毛を見つめていてもできるものではありません。
正しくチェックするためには押さえておくべきポイントがふたつあります。
それが「本数を多く見ること」と「毛根の形と太さを見ること」です。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
チェックする抜け毛の本数は20〜30本が目安!
抜け毛チェックをするときはできるだけ多くの抜け毛を確認したほうがいいことを覚えておきましょう。
なぜなら、たった1本や2本の抜け毛だけを確認しても、正確な情報にはならないからです。
30人いるクラスの平均点を出すときに、30人中2人の生徒しかテストの点を見ないなんてことはありませんよね?
テストの平均点と同じで、抜け毛が異常なのか正常なのかも平均点で算出します。生徒ひとりひとりの点数が違うように、抜け毛も一本一本状態が異なるからです。
例えば抜け毛を30本回収して異常な抜け毛が5本あったとしても、残りの25本が正常なら「その抜け毛は正常な抜け毛」ということになるのです。
抜け毛チェックの理想はすべての抜け毛を確認することですが、正常でも1日あたり70本以上も抜けてしまう抜け毛をすべて回収するのは正直なところ不可能です。
というわけで、抜け毛チェックにつかう抜け毛は20本から30本あたりを目安にすることをおすすめします。
抜け毛の回収方法はシャワーのときに抜けたものを回収するのが簡単です。頭を洗うときは毛が抜けやすいので大量に抜け毛が手に入ります。
抜け毛チェックは毛の太さと毛根の形を見よう!
抜け毛のチェックで確認すべきは毛の太さと毛根の形です。
注意深く見なければわかりませんが、じっくりと観察すれば、抜け毛の毛根部分の形には違いがあるのがわかると思います。
実は毛根の形と毛の太さを見れば、薄毛なのかそうじゃないのかはだいたいわかります。
太さは十分にあるか、細くなっていないか、毛根の形はどうなっているのか、といったポイントによってその抜け毛が正常なものなのか、異常なものなのかがわかるのです。
では具体的にどういった毛の形が異常な抜け毛なのでしょうか。
画像と共に見ていきましょう。
太さが十分で、毛根が丸い毛が多ければ正常な抜け毛!
上の画像のように毛根が丸く、毛の太さも十分な抜け毛が多ければそれは正常な抜け毛と言えます。
毛が太く、毛根が丸いのは寿命をまっとうして抜けた「寿命抜け毛」の特徴だからです。
わたしたちの髪の毛は、だいたい5年ほどの周期で脱毛と発毛を繰り返しています。
1本の毛が永久に生え続けるのではなく、「ヘアサイクル」という周期に従って、定期的に生え変わっているのです。
【関連記事】
人間だって老衰で死ぬことを「自然死」と呼びますよね。それと同じで、髪の毛も寿命で抜ければ「自然な抜け毛」となるわけです。
寿命で抜けた毛は、膨らんだ毛根部分が棍棒に似ていることから、専門的には「棍棒毛」、あるいは「クラブヘア」と呼ばれています。
棍棒毛にはたまに毛根部分が白くなっているものもありますが、これは異常なわけではありません。
髪の毛は作られた瞬間には必ず白髪になっています。成長途中で黒い色が付いて、頭皮から生えてきた段階では真っ黒になっているだけなのです。
つまり毛根部分が白くなっている抜け毛は「毛が作られた直後に寿命が来た」という証拠なわけです。
白く透明な皮膚片が付着したのは「無理やり抜け毛」
抜け毛の中には上の画像のように、根本のあたりに透明な皮膚っぽいものがくっついてるものがあります。
この抜け毛は毛根部分が皮膚っぽい何かに包まれているため、これを見て「毛根がまるごとなくなってしまった!」と勘違いしてしまう人も多くいるようですが、心配する必要はありません。
毛根部分を包んでいる皮膚のようなものは「毛根鞘」といって、細胞分裂で生まれた毛が頭皮から顔を出せるようにサポートしているものです。名前のとおり、毛根の鞘というわけですね。
毛根鞘がついているのは強い力が加わって抜けた成長期の毛の特徴です。寿命による抜け毛と対比するなら、殺されてしまった毛とも言えるかもしれません。
本来なら毛根鞘は髪の毛の成長と共に自然消滅するため、寿命で抜けた毛には毛根の鞘はくっついてきません。
ただ成長途中の毛を無理やり引っこ抜くと毛根鞘ごと抜けてしまうことがあるのです。
この抜け毛はある意味では異常な抜け毛ですが、薄毛を引き起こす抜け毛ではないので、そういう観点から言えば気にする必要はありません。
ただし、あまりにも無理やり抜け毛が多い場合は、日常的なヘアケアで髪の毛を強く引っ張りすぎている可能性があります。
数本程度であれば問題ありませんが、何十本も無理やり抜け毛があるようなら危険信号です。ドライヤーやヘアブラシなどの使い方を改めましょう。
毛根が細い抜け毛は病的な異常抜け毛
寿命で抜けた毛や成長期のまま抜けた毛はいずれも棍棒毛です。
つまり、根本に近づけば近づくほど太くなっていくのは、髪の毛が健康に成長している証拠と言えます。
しかし、なんらかの原因で毛根が攻撃を受けている場合は、棍棒網とはまったく違って毛根の方が細くなっていく抜け毛が起こります。
上の画像のように毛根が細くなっている抜け毛を専門的には「萎縮毛」と呼びます。
これは「抗がん剤」のような副作用で脱毛してしまう薬を使っているときや、「円形脱毛症」によって自分の免疫が毛根を攻撃したときに見られる抜け毛です。
本来であれば毛根部分は活発に細胞分裂をして太くなります。
しかし、毛根部分が攻撃を受けると細胞分裂ができなくなって、毛を伸ばすことができなくなった毛は抜けてしまうのです。
その結果が毛根部分が細い抜け毛の萎縮毛というわけです。
健康な抜け毛が寿命抜け毛、無理やり抜けた毛が殺された毛なら、この萎縮毛はさしずめ病死した抜け毛とでも言うべき存在でしょう。
棍棒毛でも本数が多かったり、細いものが目立つようならAGAの始まりである可能性が!
先ほどは「棍棒毛は正常な抜け毛」と説明してきましたが、実は例外がふたつあります。
棍棒毛でも抜け毛の本数が多すぎる場合と抜け毛が細すぎる場合は異常な抜け毛なのです。
健康な人は1日の抜け毛の本数が70本~100本くらいに収まります。
その人の髪の総本数や季節によっても抜けやすさは異なりますが、少なくとも1日に200本以上抜けるような事態は起こりません。
しかし、「AGA(男性型脱毛症)」になってしまうと話は別です。
AGAは遺伝と男性ホルモンが原因で起こる男性特有の脱毛症で、いわゆる「ハゲ」とか「薄毛」と呼ばれるような症状を引き起こしています。
AGAには「寿命を迎えていないはずの毛を強制的に寿命抜け毛にしてしまう」という症状があり、本来の寿命抜け毛に加えて大量の若い寿命抜け毛が発生するのです。
なので、いくら棍棒毛が多くても、その数があまりにも多すぎるときは異常な抜け毛なのです。
細すぎる抜け毛が多いときも異常な抜け毛を疑ったほうがいいでしょう。
というのも、AGAによって薄毛が起こるメカニズムは「本来5年くらいある髪の毛の寿命が3年、2年、1年とどんどん短くなっていく」という仕組みだからです。
寿命が短くなった毛は、当然、正常な抜け毛に比べて成長度が足りなくなっています。つまり、AGAになると細く短い毛のまま寿命で抜けてしまうわけです。
ですから、成長が足りていない細い毛が多い場合もAGAの可能性が高まってきます。
AGAの詳しいメカニズムや原因、対策については「AGA(エージーエー)とは?男性型脱毛症による薄毛・ハゲの原因と治し方!」でも解説しているのでこちらの記事も参考にしてください。
自分の抜け毛が異常抜け毛だったらどうすればいい?
抜け毛に問題があるときは髪の毛の問題に対応している病院を受診するようにしましょう。
異常な抜け毛を引き起こす脱毛症は放置していても治らないことが多く、時間が経てば経つほど悪化してしまう可能性があります。
髪の毛の問題は専門家に任せるのが間違いないので、薄毛治療専門のAGAクリニックや皮膚科の病院などを受診することをおすすめします。