髪の毛の雑学
2017.05.13更新
筋トレをするとハゲるって本当?薄毛と筋トレの関係を暴く!
「筋トレをするとハゲる」という噂を聞いたことはありませんか?
筋トレなんて筋肉をつけて身体を健康にするための行為なんだから、身体に良い影響こそあれ、悪い影響なんてありえないと思いますよね?
しかしながらこの説には医学的根拠があり、必ずしも「荒唐無稽なデタラメだ」と切って捨てることはできないのです。
このページではそんな筋トレと薄毛の関係性について解説していきます。
筋トレをすると男性の薄毛が進行しやすくなる!
「筋トレをするとハゲる」
この説は半分正解ですが、半分は不正解です。
正しくは「筋トレをすると男性型脱毛症の人はその症状が進行しやすくなる」となります。
つまり、女性や男性型脱毛症ではない男性に関してはどれだけ筋トレしようと毛が薄くなるなんてことはないのですが、男性型脱毛症になっている人に限って言えば薄毛が進行してしまう可能性があるということなんです。
なぜ筋トレをすると男性型脱毛症が進行するのか
なぜ筋トレをすると薄毛が進んでしまうのか。それには男性ホルモンが大きく関係しています。
男性の身体は筋トレをすると「テストステロン」という男性ホルモンの分泌を活発にするという特徴があります。
そしてこのテストステロンが男性型脱毛症に欠かせない物質なのです。
男性型脱毛症については「男性型脱毛症「若ハゲ」、AGAとは?」で詳しく説明していますが、簡単にすると
- テストステロンが「5α-リダクターゼ」によって「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変わる
- DHTが「レセプター」と結合すると「TGF-β(脱毛因子)」を生み出す
- 脱毛因子が毛母細胞に働きかけてヘアサイクルを短縮させる
という仕組みで起こります。
つまり「テストステロンがある→DHTができる→脱毛因子になる」という連鎖が起こるわけですね。
筋トレをすることでテストステロンが増えればDHTの量が増え、最終的に脱毛因子が増えてしまうわけです。
しかし、テストステロンと5α-リダクターゼ、DHTは誰もが持っていますが、レセプターは遺伝などで生まれつき持っているかどうかが決まっていて、持っていなければ連鎖が途切れ(2の部分)、脱毛因子は生まれません。
よって、男性型脱毛症の人が筋トレをすると最終的に脱毛因子が増えて薄毛が進行しますが、レセプターを持っていない、つまり男性型脱毛症にならない人がいくら筋トレをしても薄毛にはならないのです。
出てきた専門用語についてくわしく知りたい方は関連記事をご覧ください。
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筋力の増強を目的としない運動なら大丈夫!
「筋トレをすると男性型脱毛症が進行する!」などと言ってしまうと、「ハゲたく無いから運動なんかしない」と決意してしまう人もいらっしゃるかと思うのですが、ここでいう「筋トレ」とは筋力を増強する目的で行うトレーニングを指しています。
つまりジムのトレーニング器具を使って重りを持ち上げたり、家でダンベルや水の入ったペットボトルの上げ下げするような運動のことですね。
ジョギングやスイミングなど、脂肪を燃焼する目的で行う有酸素運動であれば薄毛の心配はありませんので、極端な話「マッチョになろうとしなければOK」ということです。
むしろ有酸素運動は体の代謝を上げたり全身の血行を良くする効果があるので、男性型脱毛症の人でも積極的に行うことをおすすめします。
先程も説明したように、男性型脱毛症は男性ホルモンとレセプターが原因なので、有酸素運動をしても男性型脱毛症は治りません。
しかし、薄毛の原因は男性型脱毛症だけではなく、血行の悪化や頭皮環境の悪化などでも薄毛の原因ではあります。
運動不足によって男性型脱毛症に加えてそれらの薄毛になってしまうと、薄毛が物凄いスピードで進行してしまうので注意が必要です。
まとめ
筋トレが原因でハゲてしまうことはありません。
しかし、レセプターを持った人が筋トレをすると、筋トレによって生み出されたテストステロンが引き金になり、男性型脱毛症の進行を早めてしまうことはあります。
有酸素運動であれば問題なく、むしろ健康や髪の毛のために良いことなので、むしろ行うことをおすすめします。