AGA(エージーエー) 薄毛治療

植毛とは?植毛と増毛の違いを徹底解説

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このページでは「植毛」(自毛植毛)と「増毛」の違いをわかりやすく解説していきます。

選ぶべき施術を間違えないようにしっかりと学んでいきましょう。

植毛(自毛植毛)とは

自毛植毛の植毛イメージ画像

自毛植毛は「薄毛になっていない部分の毛を薄毛の部分に移植する」という手法の移植手術です。

昔は植毛といえば人工的に作った毛を移植する人工毛植毛がメジャーでしたが、現在では人工毛植毛を禁止している国も多く、日本でも禁止こそされていないものの、人工植毛は廃れてきています。ですので、このページでも植毛=自毛植毛ということで話を進めさせていただきます。

毛根の移植は、皮膚ごと毛根を採取する「FUT法」と、毛根ひとつひとつをくり抜いて採取する「FUE法」というふたつの方法に分けられます。

使う機器が違ったり方法にアレンジが加わった「i-Direct」「i-SAFE」、毛根の採取にロボットを使用する「ARTAS」などクリニックによって名前が変わったりはしますが、根本的な部分で言えば、「皮膚ごと毛根を採取するか」と「毛根をひとつひとつ採取するか」の2種類しかありません。

自毛植毛については「自毛植毛は失敗しない?リスクやデメリットと対策」で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

FUT法とは

FUT法はまず頭皮を切り取って、その皮膚片から毛根を採取する方法です。

施術時間が短く「生着率」(植えた毛根が根付く確率)が高いというメリットがありますが、皮膚ごと切り取るために一本線のような傷口が大きく残るというデメリットも抱えています。

手術痕は針で縫うタイプのものが残り、抜糸までは1週間ほど必要とします。また術後2〜3日ほどはズキズキとした痛みが残ります。

FUE法とは

FUE法は特殊な器具を用いて毛根をひとつひとつくり抜いて採取する方法です。

毛根をひとつひとつ採取するためFUT法よりも施術にかかる時間が長く、生着率も若干落ちる傾向があります。

ですが、その代わりに施術後の傷口が目立たないというメリットがあります。傷のサイズは毛根ひとつにつきボールペンのペン先程度の傷がひとつです。

傷口が小さいので術後の痛みは痛みというよりは痒みに近く、チクチクと針先でつつかれるような感覚が2〜3日続きます。

植毛のメリット・デメリット

自毛植毛には「植毛された毛は普通の毛と同じように生え続ける」「自分の毛を植毛するので拒絶反応が起きにくい」という2つのメリットがあります。

植毛された毛は普通の毛と同じように生え続ける

自毛植毛で移植するのは厳密に言えば毛ではなく毛根です。

つまり毛を生やすシステムそのものを移植するため、普通の毛と同じように伸びてきますし、抜けても再び生えてきます

偽物の毛を植える人工毛植毛や、毛の根元に結びつけるだけの増毛と違って本物の毛が自然と生えてくるようになるのが自毛植毛の大きな特徴です。

植毛された毛はAGAの影響を受けない

自毛植毛で移植した毛は男性型脱毛症「AGA」の影響を受けないという特性を持っています。

これはAGAの原因となっている物質が後頭部や側頭部の毛には存在せず、移植後もその特徴を受け継ぐからです

AGAにならない毛を移植するので、AGAによる薄毛の影響を受けないというわけなのです。

ただし、移植部位以外は依然としてAGAの影響を受けるため、AGA治療を完全に止めることはできません。

植毛が抱えるデメリット

植毛部分以外のAGAは進行が止まらない

自毛植毛は、あくまで脱毛部分に毛を移植する手術です。

つまり自毛植毛ではAGAの根本的な治療はできません

確かに移植部分はAGAの影響を受けなくなりますが、他の部分は依然としてAGAの影響を受け続けていますので、薄毛治療を止めることができないのです。

病院や医師の技術力によって仕上がりに差が出てくる

自毛植毛は外科手術なので手術を受ける病院の質や担当する医師の技術力によって仕上がりや効果に差が出てしまいます

手術の失敗を避けるためにも、熟練した腕を持つ医師や高い技術力を持つ病院を選ぶといった、しっかりとした事前調査が必要になってきます。

植毛に必要な金額

自毛植毛手術は、数ある薄毛治療の中でももっとも高価な治療方法です。

必要な金額は手術方法やどれくらい薄毛が進行していて、どれくらいの本数を移植するのかといったことによっても変わってくるため、一概にいくらとは言えません。

ただひとつ言えるのは、自毛植毛の手術費用が100万円を超えることはまったくもって珍しいことではないということです。

増毛とは?

増毛イメージ

「増毛」は名前こそ植毛と似ていますが、施術内容はまったくの別物で、そもそも薄毛治療ですらありません

増毛とは自分の髪の毛に人工毛を結びつけて、あたかも髪が生えているかのように見せかける施術のことです。

この施術は医療機関ではなく、かつらを売ることを商売にしている「ヘアサロン」で行われています。医療行為ではないので病院でなくとも行える施術なのです。

増毛の特徴は、人工の毛を結びつけるせいで髪の毛がどんどん痛んでいくところにあります。

髪の毛に人工毛を結びつけると、それだけ髪の毛に掛かる力は強くなって引きちぎれたり抜けたりする可能性が高まります。

薄毛を治す効果がない上に、髪の毛を痛めつけるだけの施術なので個人的にはオススメできない施術です。

増毛は見た目だけは毛が生えたように見えますが、行き着く先は絶対にかつらなのです

増毛の種類

増毛にはいくつかの方法があります。

人工毛を髪の毛に結びつけるという部分は同じですが、その手段に若干の違いがあります。

結毛式

結毛式は自分の髪の毛に1本~数本の人工毛、または人毛を結び付けて全体をボリュームアップする方法です。

髪の毛の根元に毛を直接結びつけるというスタンダードな植毛方法で、一般的な植毛のイメージもおそらくこの結毛式なのではないかと思います。

手軽で安価というメリットがありますが、髪の毛が伸びるにつれて結び目が上昇してきて違和感が出てくるというデメリットがあります。だいたい月に1回程度のメンテナンスが必要です。

また、自分の毛が抜けると結び付けた毛も同時に抜けてしまうので、髪に気を使う必要があります。

結毛式は全体が薄くなっている人には有効ですが、AGAや円形脱毛症のように局所的な薄毛になっている場合はそもそも結びつけるための毛が存在しないという問題が起きやすく、そういった方にはあまりおすすめできません。

編み込み式

編み込み式はかつらメーカーの「スヴェンソン」が開発した特許技術で、スヴェンソンのみで行われている手法です。

編み込み式では髪の毛に人工毛を直接を結びつけるのではなく、

髪の毛に直接結びつけないことによって頭髪に優しいのが売りです。

口コミでは「バレなくていい」、「全然気にならない」といったポジティブな意見もありますが、中には「編み込み部分が化膿した」「凄く蒸れる」といった意見も多くあり、人によって合う合わないが大きく分かれているようです。

編み込み式は土台さえ作れればOKなので局所的な薄毛にも対応しています。

接着式

接着式は専用のシートに毛が植えられていて、自分の頭皮に張り付けるだけの増毛法です。

要するに、毛のシールを貼り付ける方法が接着式です。

特別な施術が必要ないため、増毛法の中でもトップクラスに手軽で1回あたりの費用も安めです。

口コミでも、ピンポイントで隠せる所が評価されています。

一方で、シートを貼った部分がかぶれたり、かゆくなったりするなど体質的にシートが合わない人もいるようです。

ピンポイントで薄毛を隠せるので、円形脱毛症などの局所的な脱毛症にぴったりの方法となっています。

増毛のメリット・デメリット

増毛のメリットは即効性!

増毛のメリットはただ一点、「即効性がある」の一言に尽きます。

AGAを医学的に治療して、髪の毛をフサフサにしようとするとどうしても年単位の時間が必要になってきます。

これは薬の効果が出てくるまでの時間が必要という意味もありますし、単純に髪の毛が1ヶ月に1cmというゆっくりとしたペースでしか伸びていかないことも関係しています。

たとえ薬を使った瞬間に薄毛治療の効果が出たとしても、10cmの髪の毛を手に入れるには10ヶ月かかるわけです。

しかし増毛ならば、施術を行なった直後からフサフサの髪の毛を手に入れることができます。

たとえば「来週知人の結婚式があるので髪の毛をフサフサにして出席したい」なんて考えたとき、医学的な治療では絶対に間に合いませんが、増毛なら前日に施術を受けるだけでOKなわけです。

この即効性が増毛の大きなメリットであり、医学的に薄毛が治せるようになった今でも増毛が支持されている理由でしょう。

増毛のデメリット

もちろんメリットばかりでなく、デメリットも存在します。

というより、増毛に関してはデメリットの方が多いといった方が良いかもしれません。

定期的なメンテナンスが必要

増毛には月1回程度のメンテナンスが必要です。

増毛で毛を結び付けた後も自分の毛は成長して伸びていきます。すると結び目がドンドン浮き上がってきて、増毛した毛だけ根元が変な位置になってしまうため違和感が出てきてしまうんですね。

この違和感をなくすために毛を再び根元に結び変えるというメンテナンスが、どの増毛法でも必須です。

唯一、結び替えが必要なのが接着式ですが、接着式もシールの接着性が落ちたり、シートが浮き上がったりしてしまうため、結局メンテナンスをなくすことはできません。

複雑で高価な料金設定

毎月のメンテナンスはまず間違いなく別料金になっていて、メンテナンスだけでおよそ1万円ほどかかります。

また、傷んだ毛の交換や抜けてしまった毛の追加も当然別料金ですから、追加で費用が加算されていきます。

増毛は施術自体は大した値段ではないのですが、このように定期的に必要となってくるお金がとても多いのです。

こういった複雑で高価な料金設定が増毛を受ける上でネックになってくると思います。

髪の毛が抜けやすくなる

増毛で髪の毛に人工毛を1本結びつけると、単純計算で髪の毛を引っ張ったときにかかる力が2倍になります。

髪の毛に毛を結びつけるというのは倍々ゲームで毛への負担を増やしていることにほかなりません。

そのため、増毛していない毛に比べて増毛している毛の方が物理的に抜けやすくなっているのです。

たとえば普通の人にとってはシャンプーなんて大したことない日常生活ですが、大量に増毛している人にとっては一気に死活問題へと早変わりします。髪の毛を洗う動作ひとつとっても気が抜けないのです。

増毛に必要な金額

ただ、増毛の価格はどれだけ増毛するかによって大きく変わってくるため一概にいくらと断言することはできませんが、参考程度に言っておくと、メンテナンス費用込みの1年パックで17万円という1年分おまとめパッケージや初回治療5万円にプラスして毎回のカウンセリングごとに1万円弱というプランがあり、平均するとだいたい1年にかかる値段は17万円前後ということになります。

植毛に比べるとずいぶん安いですが、植毛と違って毎年17万円かかるのがポイントです。

たとえば自毛植毛で100万円かかる人が増毛を行なった場合、増毛を継続して6年目に合計費用が102万円となるため、増毛の方が高くなってしまいます。

増毛の費用を考えるときは「自分がどれだけの期間、増毛を続けたいのか」ということを念頭に置いた上で計算してみてください。

植毛と増毛の違いとは?

このようにひとつひとつ確認してみると、そもそも植毛と増毛はまるっきり別物だということがわかります。

なので違う点を挙げればキリがないのですが、特に重要なポイントを挙げるとすれば次の2点です。

  • 植毛は治療だが、増毛は治療ではない
  • 植毛は薄毛を改善していくが、増毛では髪の毛はどんどん悪くなっていく

植毛は医療行為だが、増毛は医療行為ではない

植毛は病院で外科手術として行われるれっきとした医療行為です。

当然、植毛は医師免許を持った正規の医師にしかできませんし、病院ではない場所で行うこともできません。

保険こそ効きませんが、植毛は治療なのです。

しかし、ただ髪の毛に人工毛を結びつけるだけの増毛は医療行為ではありません。

医師免許も必要ありませんし、増毛を行なっているのは病院とは無関係のカツラメーカーがほとんどです。

つまり、増毛は薄毛治療ではないのです。

増毛は薄毛が悪化する

どのような方法をとるにせよ、増毛は「いま生えている髪の毛を痛めつけている」という事実は変わりません。

髪の毛に人工毛を結びつけたり、それを定期的に結び直したりする行為は髪の毛に多大なダメージを与えます。

その結果、増毛をする前よりも本物の毛の本数が減ったという事態が起こってしまうのです。

もしもあなたが見た目だけではなく自分の髪の毛を大事にしたいと考えているのであれば、増毛はあまりよい選択肢とは言えません。

まとめ

植毛は薄毛を治す医療行為ですが、増毛は見た目だけを良くする整形手術のようなもので、長期的なスパンで見れば増毛は良い結果をもたらしません。

即効性がある代わりに自分の毛が傷んでいく増毛がいいのか、それとも自分の毛が生えてくる代わりに時間がかかる植毛がいいのか。自分の目的と照らし合わせてじっくりと考えてみてください。