AGA(エージーエー) 抜け毛
2017.06.13更新
【抜け毛が多い人必見】髪の毛が抜ける原因と対策を解説
抜け毛が起こってしまう原因にはさまざまなものがあり、ひとくちに「抜け毛対策」といってもそれぞれの原因にそれぞれの適切な対策があります。
このページでは抜け毛の原因として考えられる脱毛症とその対策をまとめました。
目次
AGA(男性型脱毛症)
抜け毛が多いという悩みに加えて「毛が細くなっている」とか「おでこが広くなっている」、あるいは「頭頂部が薄くなっている」といった悩みも抱えている場合は「AGA(男性型脱毛症)」による抜け毛が発生している可能性があります。
AGAは遺伝と男性ホルモンが原因で引き起こされている脱毛症です。
進行性の脱毛症なのが特徴で、単なる抜け毛に止まらず、一般的に「薄毛」とか「ハゲ」と呼ばれる症状を引き起こします。
要するに男性特有の薄毛症状を引き起こす脱毛症なのです。
AGAの原因
私たちの体内には「男性ホルモン受容体」という男性ホルモンを受け取ってさまざまな反応をするシステムがあります。
この男性ホルモン受容体は男性ならば誰もが持っているのですが、強さが個人によって異なっていて、ときどきあまりにも強い感受性(性能)を持っている人がいるんですね。
感受性の強い男性ホルモン受容体は「DHT」という男性ホルモンと結びつくことで抜け毛を誘発する物質を作り出してしまう性質があります。
男性ホルモンは男として生きていれば放っておいても分泌される物質ですから、要するに何もしてなくても毛が抜けてしまう体質になるわけです。
詳しくは「AGA(エージーエー)とは?男性型脱毛症による薄毛・ハゲの原因と治し方!」の記事で解説しているのでこちらの記事を参考にしてください。
AGAの対策
AGAの原因を根本から解決するには、薄毛治療に対応している病院でAGAの治療薬を処方してもらうしかありません。
なので、いまのところAGAの対策方法は医学的な治療を受けるしかないのです。
おまけに原因となっている男性ホルモン受容体の強さが遺伝によって決まっているため、AGAにならないための予防方法すらありません。
残念ながら、現代の医学では「薄毛が発覚したら医学的治療をする」という対策しか取れないのが現状です。
円形脱毛症
髪の毛が一部分だけ一気に抜けてしまったときは「円形脱毛症」が起こっている可能性があります。
いわゆる「10円ハゲ」と呼ばれている脱毛症で、局所的にコインサイズの抜け毛が発生するのが特徴です。
円形脱毛症の原因
かつてはストレスが原因と考えられていました。
しかし今の医学では、免疫が毛根を攻撃してしまう「自己免疫不全」という病気の一種だという説が一般的です。
自己免疫不全とは、自分の身体に入ってくるウイルスや異物を攻撃するはずの免疫が暴走して、毛根を攻撃してしまう病気のことです。
まだ原理的に解明されていない部分が多い病気なので、なぜ発生してしまうのかという点については詳しいことはわかっていません。
ただ、どうやら免疫が毛根を攻撃しているらしいことだけはわかっていて、治療法は確立されています。
円形脱毛症の対策
円形脱毛症は脱毛部分が1〜2個程度の軽いものであれば自然治癒することも多く、放っておいても治るケースが多いです。
根本的に対策する場合は薬で免疫のはたらきを弱めるのが一般的です。
免疫が毛根を攻撃しているせいで起こっている病気なわけですから、免疫がはたらかないようにすれば毛根への攻撃も止まり、毛が生えてくる仕組みです。
円形脱毛症の治療は保険が適用されるので、一般的な皮膚科の病院を受診しましょう。
脂漏性皮膚炎による抜け毛(脂漏性脱毛)
頭皮は人体の中でもデリケートな部分です。病気や怪我、あるいはヘアケアグッズへのアレルギー反応など、さまざまな原因から頭皮の炎症が起こります。
そして、たまにそういった頭皮の炎症が毛根にまで影響を及ぼして、抜け毛を引き起こしてしまうことがあるんですね。
それが頭皮の炎症による抜け毛です。
頭皮の炎症にもさまざまなものがありますが、抜け毛を引き起こすレベルの炎症としてまず考えられるのが「脂漏性皮膚炎」です。
脂漏性皮膚炎は皮脂の大量発生によって頭皮に雑菌が繁殖し、そのせいで炎症が発生する皮膚病です。
頭皮が赤く炎症するだけでなく皮脂やフケが大量発生するのが特徴で、単なる皮膚炎ではなく大量の皮脂とフケにも悩まされているときは脂漏性皮膚炎の疑いがあります。
脂漏性皮膚炎の原因
頭を全然洗わない
私たちの頭皮は皮脂によって水分の蒸発を抑えたり、外部から雑菌の侵入を抑えることで健康な状態を保っています。
いわば皮脂は頭皮のバリア機能なわけです。
しかし、そんな頭皮のバリアにも時間が経つと酸化して頭皮に悪影響を及ぼす物質となってしまうという欠点があります。皮脂のバリアは使い捨てなのです。
定期的にシャンプーで洗い流していれば酸化した皮脂は頭皮に残りません。
しかし、長期間まったく頭を洗っていない人は大量の皮脂が頭皮に残ってしまうため、頭皮に炎症が起こることがあります。
頭を洗いすぎてしまう
「頭を洗わないと皮脂が溜まりすぎちゃうなら頻繁に頭を洗わないと!」と考える人も多いと思います。
しかし、困ったことに頭を洗いすぎるのもそれはそれで問題なんです。
具体的には1日に2回以上のシャンプーをしている人は危険信号です。
皮脂が洗い流されると頭皮はなくなったバリアをふたたび張ろうと皮脂を分泌します。
1日1回程度のシャンプーなら問題ないのですが、1日に何度もバリアの張り直しが起こると頭皮は「皮脂の分泌量が足りないんだ」と勘違いして皮脂を大量分泌し始めます。
その結果、シャンプーをすればするほど皮脂の量が増えてベタベタになってしまい、皮脂を餌としている頭皮の常在菌が異常繁殖して頭皮の炎症が起こりやすくなってしまうのです。
脂漏性皮膚炎の対策
脂漏性皮膚炎はれっきとした皮膚の病気なので、もし発生してしまったらすぐに皮膚科の病院を受診して治療を受ける必要があります。
脂漏性皮膚炎で抜け毛が起こるのはあくまで副次的な問題で、本質的な問題は頭皮が抱えているのでまずは頭皮を治療しましょう。
そうすれば自然と抜け毛も治ります。
脂漏性皮膚炎にならないように予防する方法は正しい方法と頻度でシャンプーをすることです。
シャンプーは1日1回、下で説明している正しい方法で行うようにしましょう。
そうすれば皮脂を過剰分泌させて脂漏性皮膚炎になる心配も減ります。
- シャンプーをする前にシャワーで髪をすすぐ
- シャンプーを泡立てる
- 頭皮を優しく揉むように洗う
- シャンプーの流し残しが無いように徹底的に流す
シャンプーの方法については「もう排水溝を黒くしない!抜け毛を増やさないための正しいシャンプー方法」の記事でも解説しているので、こちらも併せて参考にしてください。
牽引性脱毛症(引っ張り過ぎによる抜け毛)
日常的にヘアゴムやエクステを使っている人の抜け毛で考えられるのが牽引性脱毛症です。
ヘアゴムやエクステといったファッションアイテムが原因となりやすいことから女性特有の脱毛症として数えられることもありますが、男性にも起こり得ます。
牽引性脱毛症の原因
牽引性脱毛症は「脱毛症」と名前がついていますが、実際には髪の毛を引っ張りすぎて物理的に抜けてしまっているだけです。
どちらかというと怪我に近い抜け毛ですね。
髪の毛は一気に強い力をかけないと抜けないように見えますが、弱い力でも長期的にかけ続ければじわじわと抜けていきます。
なので長期的に着用することになるエクステはかなり危険なファッションだったりするんですね。
着脱可能なヘアゴムを使った髪型でも、毎日同じ髪型ばかりしていれば負荷がかかり続けて抜けてしまうおそれがあります。
牽引性脱毛症の対策
牽引性脱毛症は物理的に毛が抜けただけなのでこれといってなにか対策をしなくても放置していれば毛が生えてきます。
が、これは逆に言えば、牽引性脱毛症で抜けた毛をすぐに生やす方法はないということでもあります。
抜けてしまってから対策することが実質的に不可能なので、日常的に牽引性脱毛症が起こらないように髪の毛を大事にしておきましょう。
具体的な対策としては、エクステやヘアゴムといった負担をかけるアイテムを使わないといったことや、そういったアイテムを使う場合は髪の毛を休める日を作ってできるだけ負荷をかけ続けないことなどが挙げられます。
不健康による抜け毛
これといって特別な理由が見当たらないのに抜け毛が増えてきたときに疑いたいのが不健康による抜け毛です。
「不健康」というのは少々ざっくりとしすぎたくくりではありますが、簡単に言えば「不健康な生活のせいで起こる身体的な異常が、特に髪の毛に出てきてしまっている」ということです。
たとえば毎日睡眠時間が少なくて寝不足の人や、過度な食事制限などで栄養が取れていない人は必ずしも抜け毛が増えるわけではありません。
しかし、こういった不健康な生活をしていると身体的な不調として抜け毛が起こる人もいます。
髪の毛も身体の一部なので、身体が不健康になると問題が発生してしまうことがあるのです。
不健康による抜け毛の対策
食生活の改善
髪の毛が成長するためには多くの栄養が必要不可欠で、その栄養は食事によって補給されています。
要するに、毎日3食栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切なわけです。
具体的な髪に良い食べ物については「これが髪のための生活!とにかく髪に良い食事や習慣!」をご覧ください。
睡眠不足の改善
人間の身体には「夜、眠っているときに細胞分裂しやすくなる」という仕組みが存在します。
髪の毛が伸びるのは毛母細胞という細胞の細胞分裂によるものですから、髪の毛は私たちが夜、寝ているときに伸びているわけです。
これは逆に言えば、夜に眠っていない人は髪の毛が全然伸びないということでもあります。
なので、毛母細胞の細胞分裂を促すためにも夜にしっかり睡眠をとることが重要なのです。
ストレスの発散
ストレスが溜まると食欲不振や不眠症といった不調が起こることもあり、先ほど説明したような原理で抜け毛が増える可能性もあります。
とはいっても日常的に受けるストレスをゼロにするのは現実的ではないため、「ストレスをまったく受けない」ことを意識するのではなく「ストレスを定期的に発散して溜め込まない」ことを心がけましょう。
毛が寿命で抜けているだけの正常な抜け毛なことも!
抜け毛が増えたように感じていても、実はまったく問題がないこともあります。
私たちの髪の毛は「ヘアサイクル」という周期に従って生え変わっていて、だいたい5年くらいのスパンで「生える→抜ける→生える→抜ける」を繰り返して居ます。
簡単に言えば、私たちの髪の毛には5年の寿命があるわけです。
なので、どれだけ健康でも抜け毛がいっさい起こらないなんてことはありえません。
生えている髪の毛の総本数にもよりますが、だいたい1日あたり70〜100本くらいは抜けて当たり前なのです。
もし「抜け毛が増えた気がする」と感じたときは、まずその本数を数えてみてください。
実際には1日に抜けうる本数に収まっていて、なにも問題のないケースが多いです。