AGA(エージーエー) 薄毛治療
2017.06.19更新
20代の植毛はリスク大?若ハゲに自毛植毛をするデメリットとは
このページでは自毛植毛の情報の中でも特に若ハゲと自毛植毛の関係について、徹底的に解説します。
目次
自毛植毛とは
自毛植毛は「薄毛になっていない部分の毛を薄毛の部分に移植する」という手法の移植手術です。
昔は植毛といえば人工的に作った毛を移植する人工毛植毛がメジャーでしたが、現在では人工毛植毛を禁止している国も多く、植毛といえば自毛植毛と言えるほど一般化した植毛方法です。
毛根の移植は、皮膚ごと毛根を採取する「FUT法」と、毛根ひとつひとつをくり抜いて採取する「FUE法」というふたつの方法に分けられます。
使う機器が違ったり方法にアレンジが加わった「i-Direct」や「i-SAFE」、毛根の採取にロボットを使用する「ARTAS」などクリニックによって名前が変わったりはしますが、根本的な部分で言えば、「皮膚ごと毛根を採取するか」と「毛根をひとつひとつ採取するか」の2種類しかありません。
自毛植毛については「自毛植毛は失敗しない?リスクやデメリットと対策」で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
FUT法とは
FUT法はまず頭皮を切り取って、その皮膚片から毛根を採取する方法です。
施術時間が短く「生着率」(植えた毛根が根付く確率)が高いというメリットがありますが、皮膚ごと切り取るために一本線のような傷口が大きく残るというデメリットも抱えています。
手術痕は針で縫うタイプのものが残り、抜糸までは1週間ほど必要とします。また術後2〜3日ほどはズキズキとした痛みが残ります。
FUE法とは
FUE法は特殊な器具を用いて毛根をひとつひとつくり抜いて採取する方法です。
毛根をひとつひとつ採取するためFUT法よりも施術にかかる時間が長く、生着率も若干落ちる傾向があります。
ですが、その代わりに施術後の傷口が目立たないというメリットがあります。傷のサイズは毛根ひとつにつきボールペンのペン先程度の傷がひとつです。
傷口が小さいので術後の痛みは痛みというよりは痒みに近く、チクチクと針先でつつかれるような感覚が2〜3日続きます。
自毛植毛のメリット・効果
自毛植毛には「植毛された毛は普通の毛と同じように生え続ける」、「自分の毛を植毛するので拒絶反応が起きにくい」という2つのメリットがあります。
植毛された毛は普通の毛と同じように生え続ける
自毛植毛で移植するのは厳密に言えば毛ではなく毛根です。
つまり毛を生やすシステムそのものを移植するため、普通の毛と同じように伸びてきますし、抜けても再び生えてきます。
偽物の毛を植える人工毛植毛や、毛の根元に結びつけるだけの増毛と違って本物の毛が自然と生えてくるようになるのが自毛植毛の大きな特徴です。
植毛された毛はAGAの影響を受けない
自毛植毛で移植した毛は男性型脱毛症「AGA」の影響を受けないという特性を持っています。
これはAGAの原因となっている物質が後頭部や側頭部の毛には存在せず、移植後もその特徴を受け継ぐからです。
AGAにならない毛を移植するので、AGAによる薄毛の影響を受けないというわけなのです。
ただし、移植部位以外は依然としてAGAの影響を受けるため、AGA治療を完全に止めることはできません。
自毛植毛が抱えるデメリット
一方で自毛植毛には見過ごせないデメリットもふたつあります。
それが、「植毛していない部分のAGAは止まらないこと」と「植毛は医師の腕の良さに依存しすぎていて仕上がりに差があること」です。
理論上は優れた方法ではあるのですが、実際に満足できるかどうかという点はまた別になってきます。それぞれデメリットを見ていきましょう。
植毛部分以外のAGAは進行が止まらない
自毛植毛は、あくまで脱毛部分に毛を移植する手術です。
つまり自毛植毛ではAGAの根本的な治療はできません。
確かに移植部分はAGAの影響を受けなくなりますが、他の部分は依然としてAGAの影響を受け続けていますので、薄毛治療を止めることができないのです。
病院や医師の技術力によって仕上がりに差が出てくる
自毛植毛は外科手術なので手術を受ける病院の質や担当する医師の技術力によって仕上がりや効果に差が出てしまいます。
手術の失敗を避けるためにも、熟練した腕を持つ医師や高い技術力を持つ病院を選ぶといった、しっかりとした事前調査が必要になってきます。
20代で自毛植毛する値段は60万円〜80万円ほど!
自毛植毛が高額な手術であるため、20代の若ハゲでも手術費用には数十万円単位のお金がかかってしまいます。
「頭にできた小さい傷跡を隠したい」程度の自毛植毛ですら20万円から30万円が相場ですので、薄毛の自毛植毛ともなると面積の小さい若ハゲでも60万円前後は必要となってきます。少し面積が広めだと80万円程度まで上がってくるかもしれません。
重度のAGAだと100万円を超えてもおかしくなく、高額な治療費が必要になってくるのが自毛植毛の特徴と言えます。
20代前半のAGA(若ハゲ)には自毛植毛が向いてない2つのワケ
植毛技術の発達により、現在では多くの人が自毛植毛を経験しています。大学生で自毛植毛を選んだなんて方も増えてきました。
しかしながら、20代前半で自毛植毛を選ぶのは時期尚早ではないかというのが私の考えです。 少なくとも初手から選ぶ治療法ではないのは確かでしょう。
まだ発毛剤治療を行なっていない場合はまずAGAクリニックへ行き、本当にAGAなのかどうかを診断してもらった上で発毛剤治療を行うべきです。
20代前半の若ハゲの場合、以下の理由から自毛植毛はあまりおすすめできません。
自毛植毛をしてもしなくても発毛剤治療はすることになる
先ほども説明しましたが、自毛植毛はAGAを完治させる手術ではありません。
そのため、自毛植毛を行ったあとも通常の薄毛治療は継続する必要があります。
要するに自毛植毛の効果は「毛が生えなくなった部分に毛を生やす」ことなので、薄毛面積が小さい若ハゲだとあまりメリットがないのです。
どれくらい薄毛が進行しているかにもよりますが、「生え際の後退が気になる」レベルの薄毛なら発毛剤治療だけでも十分に改善が期待できます。
自毛植毛をしてもしなくても発毛剤治療をすることになるのなら、自毛植毛なしで発毛剤治療をしていた方が圧倒的にお得です。
将来的に違和感が出てくる可能性がある
長年AGAによる薄毛が続いていて毛根が死んでしまった人ならともかく、20代前半の若者の毛根が死んでいるなんてことはそうそうありません。
そのため、多くの場合は自毛植毛で移植した部分にもそのうち毛が復活してくることになります。
そうなったとき、自然に生えてきた毛と人工的に移植した毛とのバランスが崩れ、自毛植毛で作った部分に違和感が出てくることがあるのです。
自毛植毛した毛根を取り除くことも不可能ではないのですが、それにはまた別途、高額な外科手術が必要となり、完全に二度手間です。
自力での治療に大きな期待が持てる20代前半での自毛植毛にはリスクが伴うのです。