発毛剤 育毛剤
2017.05.01更新
発毛剤と育毛剤って何が違うの?医薬品と医薬部外品の違いを解説!
「発毛剤と育毛剤って何か違うんですか?」 私は今までさまざまな人の薄毛問題にアドバイスをしてきたわけですが、「薄毛について何かわからないことはないか?」と聞いたときに返ってくるものとしてこの質問がトップクラスに多いです。
「育毛剤」と「発毛剤」。名前はたったの一文字しか違わないので、これらが別物なのかが非常にわかりにくい上に、別物だと理解したところでなにが違うのかもまったくわからないんですよね。
「日本」を「ニホン」と読むか「ニッポン」と読むかみたいな些細な違いなら別に問題はないのですが、困ったことに育毛剤と発毛剤には決定的な違いがあり、ここを知っているのと知らないのとでは薄毛対策をする上で大きく変わります。
そこで今回はメーカーは教えてくれない「育毛剤と発毛剤の違い」を徹底的に学んでいきましょう。
目次
発毛剤と育毛剤の決定的な違い
まずは、一番気になる発毛剤と育毛剤の違いを説明しましょう。
発毛剤と育毛剤は配合された成分が異なり、「薄毛を治せるかどうか」という面で決定的な違いがあります。
かんたんに言うと「髪の毛が生える」のが発毛剤で、「頭皮環境を整える」のが育毛剤。
つまり薄毛の治療をしたいなら発毛剤を使うべきで、ヘアケアをしたいのなら育毛剤を使うべきです。
育毛剤には「抜け毛予防」程度の効果はありますが、既に薄毛になってしまった人が育毛剤だけを使っても改善はできません。
色々いいましたが「発毛剤は治療」「育毛剤は予防」というイメージを持っておくと良いでしょう。
それでは、発毛剤と育毛剤の違いについて詳しく説明していきます。
発毛剤とは
発毛剤は、国から「髪の毛が生える」「ハゲ・薄毛の治療効果がある」と認められた医薬品です。
現在日本では「ミノキシジル」「フィナステリド」「デュタステリド」の3種類の成分が配合されているものは発毛剤に指定されています。
有名な発毛剤でいうと
- 「リアップ」=ミノキシジル
- 「プロペシア」=フィナステリド
- 「ザガーロ」=デュタステリド
という感じですね。
ただし、発毛剤にはハゲ・薄毛の治療ができるほど強い効果がありますが、効果が高い分副作用が出る可能性があります。
具体的には
- フィナステリド
- ミノキシジル
- デュタステリド
性欲減衰が5%未満、勃起不全(ED)や射精障害が1%未満。
頭皮のかゆみ、発疹が3.3%、その他(めまい、動悸、むくみなど)が4.9%。
1.5%で肝機能障害、1.5%で乳房の異常(痛みや女性化)、その他性欲減衰や勃起障害(ED)など。
このようにミノキシジルがかゆみやめまいなどの軽い副作用が合わせて8%ほど、フィナステリドやデュタステリドは詳細な実験結果は出ていませんが、1%前後で勃起障害や肝臓の障害が起こるといった副作用が確認されています。
つまり「ハゲ・薄毛が治るほど強い効果を持つが、低確率とは言え副作用がある薬」これが発毛剤です。
育毛剤とは
育毛剤は、「抜け毛の予防ができる」「頭皮環境を良くする」という弱い効果が国から認められている医薬部外品です。
有名なもので言うと「チャップアップ」「イクオス」「マイナチュレ」「ベルタ」などがこの育毛剤に当てはまります。
はじめに触れましたが、育毛剤には「抜け毛を予防する」「頭皮環境を良くする」といった弱い効果しかなく、多くの人が期待している「髪の毛を生やす」「ハゲ・薄毛を治す」という強い効果はありません。
ただし、強い効果がない代わりに副作用が出る可能性がほとんどゼロです。
実際、厚生労働省の資料「国内副作用報告の状況(医薬部外品)」では育毛剤の副作用はまったく報告されていません。
つまり「頭皮環境を良くしたり抜け毛を予防する弱い効果しかないが、副作用がほとんど無い」これが育毛剤です。
発毛剤と育毛剤の見分け方と覚え方
少し復習になりますが、発毛剤は医薬品といって「病気を治療する効果があると認められたもの」になります。
この場合の「病気」は薄毛のことですね。つまり、発毛剤は薄毛を治療できると国によって認められているわけです。
一方で、育毛剤は医薬部外品といって、「病気を治療できるほど強くはないが、予防するくらいの効果はある」と認められたものになります。
薄毛になってない人が薄毛を予防するくらいの効果はあるが、ハゲ・薄毛を治すほどの強い効果はないと国によって判断されているのです。
医薬品と医薬部外品の違いをわかりやすく理解できる例として「風邪薬とうがい薬」が挙げられます。
風邪薬は風邪を治すことができるので医薬品ですが、うがい薬でどれだけうがいしたって風邪は治りませんのでうがい薬は医薬部外品です。
つまり、育毛剤で薄毛を治そうとするのはうがい薬で風邪を治そうとするのと同じことなんですよね。
治すのか、予防するのか。これが発毛剤と育毛剤の決定的な違いとなります。
本気でハゲ・薄毛を治したいのであれば、育毛剤ではなく発毛剤を使いましょう。
また、それでも育毛剤が良いという方、育毛剤についてもっと知りたい方は関連記事をご覧ください。
気軽に買えないのが発毛剤!誰でも気軽に買えるのが育毛剤!
医薬品は発毛剤、医薬部外品は育毛剤という説明をしましたが、実は発毛剤と育毛剤の違いはそれだけではありません。
医薬品は、その効果の強さから副作用が出る可能性があるため、医師の処方箋がなければ購入することができないのです。
例外的に処方箋が必要ないケースもありますが、それでも医師や薬剤師の説明を受けなければ購入できません。
これは「無駄に副作用のリスクを抱えさせない」という理由から来ています。
ハゲ・薄毛ではない人が使うと無駄に副作用のリスクを抱えることになるので、その前に医者が診断をしてストップを掛けられるのです。
しかし、育毛剤の場合は効果が弱いので副作用の心配がほとんどなく、処方箋や診断は必要なくどんな人でも好きなときに好きなだけ購入することができます。
つまり、自由に買えるのが育毛剤、自由に買えないのが発毛剤という覚え方もできます。
発毛剤と育毛剤の料金
発毛剤と育毛剤の違いについてはある程度理解していただけたと思いますが、気になるのは効果だけではありません。
実際購入するとなると、やはり値段も気になりますよね。
発毛剤は処方してもらう医療機関によって料金が変わるのですが、大体
- リアップ:7,000円
- プロペシア:5,000円~7,000円
- ザガーロ:10,000円
という感じです。
育毛剤も商品によって値段は大きく変わりますが、大体5,000円~10,000円位が相場です。
つまり、発毛剤と育毛剤の値段はほとんど一緒なんです。
「治る7,000円」と「治らない7,000円」どちらを取るかは自由ですが、よく考えて選ぶことをおすすめします。
発毛剤と育毛剤でここまで効果が違うのは配合された成分が違うから!
いったいなぜ発毛剤と育毛剤ではここまで効果が変わってくるのか。
それには「配合された成分」という薬品の本質的な部分が関わってきています。身も蓋もないことを言ってしまうと、育毛剤には「髪の毛が生えてくる」「ハゲ・薄毛を治す」ような成分が一切入っていないのです。
多くの育毛剤は数十種類の成分を配合しています。育毛剤の世界では「配合した成分が多ければ多いほど偉い」みたいな謎の権威付けがあり、大抵の育毛剤はとにかく成分数を自慢してくるわけです。
しかし、ひとくちに「成分」といっても薬学的には「学会で効果が認められた成分」と「学会で効果が認められていない成分」のふたつが存在します。
これを法律的には「有効成分」と「その他の成分」として区別しているわけなのですが、育毛剤に含まれているのは90%以上が効果の認められていない「その他の成分」なのです。さらに言えば、残った数%の有効成分もハゲ・薄毛を治療できるほど強くありません。
一方で、発毛剤には国によって「髪の毛が生える」、「ハゲ・薄毛を治せる」と認められた「ミノキシジル」や「フィナステリド」「デュタステリド」が配合されています。
日本で有名なもので言うと、ミノキシジルが配合されているのは「リアップ」、フィナステリドが配合されているのは「プロペシア」デュタステリドは「ザガーロ」ですね。
つまり「医学的にハゲ・薄毛に効果があると認められた成分が配合されている」なら発毛剤で、そうでなければ育毛剤。
これが発毛剤にだけ治療効果が出る理由なのです。
ミノキシジルやフィナステリドについて詳しく知りたい方は関連記事をご覧ください。
【関連記事】
まとめ
発毛剤と育毛剤を一緒にしているものがありますが、本質的に違うものです。
発毛剤は医薬品で効果が強いが副作用もある治療薬、育毛剤は医薬部外品で効果は弱いが副作用の心配がほとんどない予防薬と覚えておきましょう。
発毛剤を使いたい人も、育毛剤を使いたい人もそれぞれの効果を正確に理解して、自分が納得した上で購入してください。