発毛剤
2017.10.25更新
ミノキシジルで低血圧になるって本当?注意点と対策
このページでは、ミノキシジルと血圧の関係を徹底的に解説していきます。
目次
ミノキシジルを使うと低血圧になるって本当?
それでは、「ミノキシジルを使うと低血圧になるの?」という疑問に答えていきましょう。
結論から言ってしまうと「ミノキシジルを使うと低血圧になる可能性がある」となります。
発毛剤としてミノキシジルを使うと、副作用として低血圧になってしまうことがあるんですね。
一体なぜなのか、次はその理由を説明していきます。
ミノキシジルは元々血圧降下の薬!
ミノキシジルを使って低血圧になる理由なんですが、これはミノキシジルが生まれた経緯を見るとわかります。
現在ミノキシジルは毛を生やす発毛剤として使われていますが、実はもともと髪の毛用としては作られていなかったんです。
ミノキシジルという成分はもともと高血圧の治療薬として開発されていて、「血管を拡張して血圧を下げる」という効果で登場しました。
しかし、薬の効果や安全性などを確認する臨床試験をしたところ、「毛が濃くなる」「毛が生えてくる」という副作用が確認されたのです。
この副作用を逆手に取って、ミノキシジルは「毛を生やす薬」として使われるようになったんですね。
なので、ミノキシジル本来の働きは「血圧を下げること」。ミノキシジルを使って低血圧になっても不思議ではありません。
ただ、詳しくは「ミノキシジルとは?効果と作用機序を徹底解説」を見てもらいたいのですが、ミノキシジルには塗って使う外用薬と飲む内服薬の二種類があって、それぞれ副作用の強さが変わります。
もちろん血圧に与える影響も違いますので、次は外用薬と内服薬が血液に与える影響を説明したいと思います。
ミノキシジル外用が血圧に与える影響
まずはミノキシジルの外用薬が血圧に与える影響です。
ミノキシジルの外用薬は『大正製薬』の「リアップシリーズ」や、海外の「ロゲイン」などが有名ですね。
外用薬は毛を生やしたい部分、つまり頭皮に塗って使います。
なので、基本的に頭皮の血圧には影響を与えますが、その他の部位にはほとんと影響がありません。
また、頭皮にはバリアが張られているため、すべての成分が浸透するわけではありません。
その上で日本で売られているミノキシジルの外用薬は血圧を下げる目的で使うものより低濃度なため、低血圧になるほど強い影響を与えるとは考えにくいです。
実際、リアップシリーズの特別調査で確認された副作用は主に「発疹」「かゆみ」「かぶれ」「ふけ(粃糠)」などの頭皮トラブル系が多数を占めています。
2.調査結果
特別調査において報告された副作用の発現状況は別紙(2)表1及び別紙(3)表1に示すとおりで、副作用発現症例は3,072例中271例(8.82%)、378件であった。
378件の内訳は、「適用部位そう痒感」123件、「適用部位発疹」43件、「頭部粃糠疹」33件、
「接触性皮膚炎」32件、「適用部位紅斑」31件、「適用部位刺激感」13件、「頭痛」10件、
「浮動性めまい」「動悸」「適用部位乾燥」「血圧上昇」が各6件、「適用部位疼痛」「適用部位熱感」「適用部位腫脹」が各4件、
「末梢性浮腫」「適用部位分泌物」「心拍数増加」が各3件、
「眼痛」「耳鳴」「発疹」「裂毛」「蕁麻疹」「皮膚のつっぱり感」「適用部位炎症」「適用部位発汗」「適用部位変色」「適用部位びらん」「適用部位痂皮」が各2 件、
「不眠症」「体位性めまい」「感覚鈍麻」「睡眠の質低下」「眼瞼炎」「眼充血」「霧視」「心不全」「ほてり」「腹痛」「上腹部痛」「紅斑」「毛髪変色」「毛髪障害」「多毛症」「そう痒症」「脂漏性皮膚炎」「夜間頻尿」「適用部位浮腫」「胸痛」「浮腫」「適用部位異常感覚」「適用部位皮膚剥脱」「アラニンアミノトランスフェラーゼ増加」「眼圧上昇」「血中アルカリホスファターゼ増加」が各1件であった。
一応「動悸」「めまい」「頭痛」「心拍数増加」など血圧に関係する副作用も報告されていますが、8.82%の中のごく一部です。
もちろん薬の副作用なので「絶対安全!」ということはできませんし、8.82%のなかの数%でも血圧に影響を与える副作用があるのは事実です。
しかし、そこまで大袈裟に恐れるほど強い影響は与えないと言っても良いでしょう。
ミノキシジル内服が血圧に与える影響
次はミノキシジルの内服薬が血圧に与える影響です。
ミノキシジルの内服薬は一般的に「ミノタブ」と呼ばれていて、商品名としては「noxidil(ノキシジル)」が有名ですね。
ミノタブは成分を体内に取り込むため、全身に成分が行き渡ります。
さらに、頭皮のようなバリアもないですし、基本的に外用薬よりも高濃度なので血圧に強い影響を与えると考えられます。
具体的に言うと、全身の血圧が低下するため低血圧による「頭痛」「肩こり」「めまい」「顔のむくみ」といった副作用が出ます。
また、ミノキシジルは動脈にしか作用しないので、動脈で増えた血流が静脈で抑えられないため心臓に強い負担がかかってしまい、その結果「動悸」「心臓痛」などにも繋がります。
ノキシジルが生体内で代謝を受けて生じた活性代謝物がATP-感受性Kチャンネルを活性化することにより,細胞形質膜が過分極し,血管平滑筋が弛緩します. この結果血圧が低下します.
ミノキシジルの血管拡張作用は動脈に主として作用し,静脈には作用しません.
そのため,動脈側で増えた血流量は静脈で緩衝されることなくそのまま静脈環流量として心臓にもっどってきますので心拍出量が著明に(通常の数倍)増加します.
これに見合うだけの酸素供給がない場合には,狭心症発作を起こします.
他の薬との併用は大丈夫?
ミノキシジルの話になると必ず出てくる疑問が「ミノキシジルは他の薬と一緒に使っても大丈夫ですか?」というもの。
確かに、血圧に大きな影響を与えるミノキシジルですから、そのような疑問が出てくるのも仕方ないのかもしれません。
なので、次はミノキシジルを他の薬と併用しても良いのかどうかを説明したいと思います。
AGA治療薬は併用して大丈夫!
まず、一番気になるであろうプロペシアやザガーロなどの他のAGA治療薬との併用についてですが、これは基本的に併用しても大丈夫です。
なぜかというと、詳しくは「プロペシアの効果と副作用を徹底解説」と「AGA治療薬ザガーロの発毛効果と副作用を徹底解説」で説明しているのですが、プロペシアやザガーロなどはミノキシジルとは全く別の部分に作用する薬だからです。
ミノキシジルは血管に作用するのに対して、プロペシアやザガーロは男性ホルモンを生み出す酵素を阻害する働きがあります。
なので、作用的に血管には影響を与えないため、併用しても問題ないのです。
むしろAGA治療においてはミノキシジルとプロペシア・ザガーロの併用は推奨されていますので、ミノキシジルとAGA治療薬を併用したい方は安心してください。
ミノキシジルとAGA治療薬の相性については「AGA治療はプロペシアとミノキシジルの併用が効果的!発毛剤併用の効果や金額、デメリット」で説明しているので、詳しくしいたい方はこちらの記事もぜひご覧ください。
血圧関係の薬の併用は厳禁!
AGA治療薬の併用は問題ないと言いましたが、それは作用機序(薬が効く仕組み)がまったく違うからです。
なので、ミノキシジルと同じところに作用する薬、つまり血圧関係の薬との併用は絶対にNGです。
例えば、低血圧の人に処方される血圧を上げる薬や、高血圧の人に処方される血圧を下げる薬などですね。
血圧を下げる薬とミノキシジルを併用すると、血圧がかなり強力に下がって強い副作用が出る危険があります。
また、血圧を上げる薬も同じく危険です。
血圧に関する薬を複数飲むと、血圧が激しく上昇下降を繰り返して心臓に強い負担がかかります。
心臓が関係してきますから、場合によっては死に至る可能性もあるので本当に注意しましょう。
他の薬は医者に相談しよう!
他にも、ミノキシジルとの併用が危険な薬は色々あります。
具体的な薬名を挙げることはできないのですが、何か他に服用している、服用しようと思っている薬がある場合は、必ず医師に相談しましょう。
血圧を下げない方法ってあるの?
ここまで、ミノキシジルを使うと低血圧になる可能性があると説明してきました。
しかし、「低血圧は困るけどAGA治療はしたい」という方も多いと思います。
そんな方のために、次は低血圧にならないための方法を紹介したいと思います。
ただし、薬の話ですから絶対の方法ではありません。
あくまでも「できるだけ低血圧を避けるための方法」として参考にしてください。
ミノキシジル内服薬を外用薬に変える
まず、低血圧を避けるための第一の方法として「内服薬を外用薬に変える」が挙げられます。
最初の方に説明したように、ミノキシジルは内服薬の方が強い効果を持っています。
なので、内服薬を使っている場合は、内服薬の使用を中止し効果が緩やかな外用薬に乗り換えましょう。
もちろん効果が緩やかな外用薬に変えるわけですから、低血圧の確率を下げる代わりに発毛効果も落ちるので注意しましょう。
ミノキシジルの濃度を下げる
これは外用薬でも内服薬でも同じです。
例えば、ミノキシジルが5%配合された「リアップX5プラス」を使用して低血圧になった場合、ミノキシジルが1%配合されている「リアッププラス」に変える。
10mgのミノタブを使っていた場合、5mgのミノタブに変える。
という感じですね。
「これで絶対に低血圧にならない!」ということはありませんが、確率はかなり下げることができます。
ミノキシジルを使う頻度を下げる
低血圧を避ける方法としてもうひとつ「使う頻度を減らす」があります。
基本的に多くの人は外用薬でも内服薬でも毎日使うと思うのですが、これを2日に一回、3日に一回など少しずつ頻度を下げていくことでミノキシジルを使う量が減ります。
ミノキシジルの量が減ればそれだけ血圧に与える影響も少なくなりますから、低血圧になる確率を下げることができます。
ただし、日を開けすぎるとミノキシジルの効果が発揮されない場合があるので、万能な方法ではないことを理解しておきましょう。
ミノキシジルは医師の判断のもとで使うのをおすすめ!
ここまでミノキシジルについて説明してきたわけですが、やはり一番おすすめなのは「使う量と種類を医師に判断してもらう」ということ。
とくにAGAクリニックの医師はハゲ・薄毛にとても詳しく、ミノキシジルに関しても精通しています。
自分だけではわからない「これって副作用?」「これって効いてるの?」などの疑問にすべて答えてくれます。
さらに、もし副作用が出たときに薬の濃度を下げるのか、それとも使用を中止したほうが良いのかなどの判断もしてくれます。
まとめ
ミノキシジルは元々血圧を下げる薬として生まれたため、毛生え薬として使っても低血圧になる可能性があります。
しかし、基本的に外用薬での低血圧のケースは少なく、内服薬は多い傾向があるので、低血圧が不安な方は外用薬からのスタートをおすすめします。
また、ミノキシジルは併用ができない薬もありますので、他の薬を使うときは必ず医師の判断を仰ぎましょう。
どうしてもミノキシジルを使いたいけど副作用が不安という方も、ミノキシジルに詳しいAGAクリニックの医師に相談することで解消できる可能性があります。
長く悩めばそれだけハゲ・薄毛は進行してしまいますから、まずは何かしらのアクションを起こすことをおすすめします。