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デュタステリドに耐性ができるって本当?耐性の謎を解説!

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このページでは、デュタステリドの耐性について徹底的に解説しています。

デュタステリドに耐性はできるの?

結論から言うと、「デュタステリドに耐性ができる可能性はあるが、半年位では耐性ができないと考えられる」となります。

残念ながら、現状デュタステリドの耐性ができたというデータも、できなかったというデータもないので断言できません。

デュタステリドに耐性ができると言われている根拠が否定できること、デュタステリドの約半年間の臨床試験では耐性が確認されないことを考慮してこのような結論になりました。

以下から、この結論に至った詳しい理由を解説していきます。

耐性とは?

耐性とは、同じ薬を何度も使用していると、体が慣れてきて徐々に薬の効果が薄くなっていく現象のことです。

薬は肝臓で分解されているのですが、肝臓は物質を分解するときに、その物質を分解する能力を持った酵素を出しています。

例えばお酒を飲んだときはアルコールを分解するための「アルコール分解酵素」を分泌してアルコールを分解する。という感じですね。

最初はこの分解酵素の数が少なくアルコールの影響を受けてしまうのですが、アルコールを何度も摂取すると肝臓がアルコール分解酵素をたくさん分泌します。

そうなるとアルコールが分解されてれる速度があがり、少しずつ酔っぱらいづらくなっていくんですね。

薬の場合も同じで、肝臓が薬を分解する酵素を徐々に増やすことで薬が早く無効化されるようになるんです。

この耐性を専門的に「代謝耐性」と呼びます。

デュタステリドとは

デュタステリドの耐性について解説する前に、デュタステリドが何なのかを説明したいと思います。

ただの基礎知識なので、「もう知っている」という人は飛ばしても大丈夫です。

デュタステリドは2015年にAGA治療薬として認可された成分です。

デュタステリド自体は元々『アボルブ』という『前立腺肥大症』の治療薬として存在していたのですが、AGAの治療にも使えるということで『ザガーロ』という商品名で登場しました。

作用機序(薬が効く仕組み)がフィナステリドとほとんど同じため、AGA治療の際はフィナステリドかデュタステリドのどちらか片方を選択することが多いです。

今回はデュタステリドの説明なので、フィナステリドについて詳しく知りたい方は「フィナステリドの効果と副作用を徹底解説!」をご覧ください。

デュタステリドの効果

デュタステリドが持っている効果は「5α-リダクターゼの抑制」です。

詳しい仕組みは「AGA(エージーエー)とは?男性型脱毛症による薄毛・ハゲの原因と治し方!」で説明していますが、AGAの原因のひとつとなっているのが「DHT」という男性ホルモンで、それを生み出すのが5α-リダクターゼです。

デュタステリドは5α-リダクターゼのはたらきを阻害するので、DHTが作られないようになります。

原因のDHTがなければ、AGAの進行も止まるというわけですね。

デュタステリドの副作用

デュタステリドは、AGAの原因とは言え男性ホルモンに影響を与えるので、主に性機能関係の副作用が確認されています。

具体的には「勃起不全(ED)」「性欲減退」「射精障害」などですね。

国内の試験では 国内長期投与試験において、本剤が投与された総症例120例中20例(16.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、勃起不全13例(10.8%)、リビドー減退10例(8.3%)、射精障害5例(4.2%)であった(承認時)。

引用元:添付文書:ザガーロカプセル0.1mg/ ザガーロカプセル0.5mg

また、例は少ないですが、乳房に異常がでることもあるようです。

生殖系及び乳房障害

1%未満

乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)

引用元:添付文書:ザガーロカプセル0.1mg/ ザガーロカプセル0.5mg

なぜデュタステリドに耐性ができると言われているのか

「デュタステリドがステロイドだから」これがデュタステリドに耐性ができると言われている理由です。

このステロイドは炎症を抑える薬として使われているものと同じで、化合物(化学変化で生まれた物質)の1種です。

確かにステロイドには『ステロイド抵抗性』というステロイドの効きが悪くなる現象があるので、これが本当ならデュタステリドに耐性ができそうですね。

しかし、デュタステリドはステロイドではありません

デュタステリドはアザステロイドという、簡単に説明すると「ステロイドに似た構造をした別のもの」です。

構造はともかく、名前がとても似ているので良く勘違いされますが、ステロイドとアザステロイドはまったくの別物です。

なので、「デュタステリドがステロイドだから耐性ができる」という根拠は根本から破綻しているんですね。

ちなみに、AGA治療薬として有名な「プロペシア」の有効成分フィナステリドもアザステロイドですが、こちらには「10年間効果が減少しなかった」というデータがあります。

Its efficacy was not reduced as time goes on
(その有効性は、時間の経過とともに減少することはありませんでした)

※カッコ内は翻訳文

もちろんデュタステリドとフィナステリドは違う成分ですが、同じアザステロイドという意味では無意味なデータではないでしょう。

デュタステリドの耐性はすぐにはつかない!

たとえデュタステリドに耐性ができるとしても、すぐに耐性がつくとは考えられません。

なぜなら、およそ半年間に及ぶデュタステリドの臨床試験では耐性が確認されていないからです。

以下がデュタステリド配合薬ザガーロの臨床試験の結果です。

一番下の線がプラセボ(偽薬)、一番上がザガーロの1mgです。

ザガーロ0.02mgは毛髪量が減っていますが、他が増え続けていることを考えると純粋にデュタステリド濃度が足りなかったのだと考えられます。

耐性ができれば他の濃度でも毛の量が減っていくはずなので、少なくとも半年位は耐性ができないと考えても良いでしょう。

デュタステリドの注意点

以上がデュタステリドの耐性についての解説なのですが、デュタステリドは耐性以外にも注意することがあります。

デュタステリドの耐性だけでなく、これから紹介する注意点も把握しておきましょう。

飲み始めは初期脱毛が起こる

デュタステリドを使って大体10日~20日ほどで抜け毛が増える初期脱毛が起こります

初期脱毛はもともと抜けるのを待っている古い毛が、新しい毛に押し出される形で抜けていく現象です。

なので、古い毛がなくなれば自然と治まります。

治まるまでの期間は個人差がありますが、だいたい半月~1か月ほどで治まることが多いようです。

急に抜け毛が増えるため「デュタステリドが効いてないのでは!?」と焦るかもしれませんが、初期脱毛はデュタステリドが効いている証拠ですので安心してください。

デュタステリドの初期脱毛については「デュタステリドで初期脱毛は起こる?その期間は?」をご覧ください。

デュタステリドの効果には限界がある

デュタステリドで抜け毛を減へらすと、頭に残る毛が増えるため薄毛が改善しますが、デュタステリドができるのはここまでです。

デュタステリドはあくまでもAGAの原因を止めて抜け毛を防ぐだけの薬なので、AGAによる抜け毛が治まりきると効果が実感できなくなってしまうのです。

AGAの進行を止めるのは大切ですが、そこからさらに高い効果を求めるのであれば、毛を生やすミノキシジルを併用しましょう。

ミノキシジルは国から「毛が生える」と認められている成分で、日本では「リアップ」という商品名で販売されています。

デュタステリドは抜け毛を防ぐための薬で、単体では薄毛改善に限界があることを覚えておきましょう。

ミノキシジルについては「ミノキシジルとは?効果と作用機序を徹底解説」をご覧ください。

デュタステリドは正しく服用する

デュタステリドは、説明書通りに使わなければ正しい効果がられない可能性があります

AGA治療初心者がやってしまいがちなのが、「フィナステリドと交互に飲む」という方法です。

デュタステリドの耐性ができないように行っているようなのですが、危険なのでやめましょう。

効果が似ているとはいえ、デュタステリドもフィナステリドも違う成分です。

説明書に書かれている以外の方法で服用すると、想定外の副作用が出る恐れがあります。

現状デュタステリドに耐性ができるというデータはありませんから、正しい効果を得るため説明書通りに使いましょう。

デュタステリドの服用は医師の判断のもとで使いましょう!

デュタステリドは男性ホルモンに影響を与える強い薬ですから、素人判断で濃度を変えたり飲み方を変えたりするのは危険です。

なので、デュタステリドを服用するときは、AGAクリニックの医師に相談することをおすすめします。

AGAクリニックの医師は、ハゲ・薄毛はもちろん。デュタステリドについても精通しているので、濃度の調整や飲み方の指導などを行ってくれます。

さらに、「ちゃんと効いてる?」「これって副作用?」という不安にも答えてくれますし、素人判断で好き勝手に使うより圧倒的に安全です。

多くのAGAクリニックは無料カウンセリングに対応しているので、相談するだけなら無料です。

デュタステリドの安全性を確保するために、まずは1回だけでも相談してみることをおすすめします。

まとめ

現状デュタステリドの耐性ができるというデータはありません。

しかし、デュタステリドの臨床試験を見る限り、少なくとも半年くらいでは耐性ができないと考えられます。

デュタステリドは男性ホルモンに影響をあたえる強い効果を持った薬ですから、耐性以外の注意点も把握しておきましょう。

デュタステリドを素人判断で自由に使うのは危険なので、AGAクリニックの医師に相談し、濃度の調整や飲み方などの指導をしてもらいましょう。