AGA(エージーエー) 発毛剤 髪の毛の基礎知識
2017.06.19更新
AGA治療薬が効果なし?今さら聞けない発毛剤の使い方【必読】
このページでは「AGA治療をしているのに効果が出ない理由」をお教えします。
目次
「薄毛が治らない」とは何か
まず根本的な問題として、「薄毛が治らない」とはどういう状況なのか考える必要があります。
あなたの考える(あるいは直面している)薄毛が治らない状況はおそらく以下のふたつのどちらかのはずです。
- 薄毛治療をしているのに何も変わらない(髪の毛がフサフサにならない)
- 薄毛治療をしているのに薄毛がどんどん悪化している
これにはそれぞれ異なる理由がありますのでそれぞれ見ていきましょう。
薄毛治療をしているのになにも変わらないふたつの理由
「AGA治療を続けているのに一向に様子が変わらない」
「なにも変化がないので効果があると思えない」
こういった場合には以下のふたつの理由が考えられます。
1.薄毛の進行と薄毛治療が打ち消しあっている
もしずっと薄毛治療をしているのになにも変わらない(=改善しないが悪化もしない)という悩みを抱えているのであれば、それはだいたいAGA治療の効果がしっかりと出ている証拠です。
薄毛治療をしているのに髪がフサフサにならないのは不満かもしれませんが、そもそも治療していなければAGAはどんどん進行するのですから、現状維持ができている時点でしっかりと治療の効果が出ています。
これはAGA治療に効果がないのではなく、AGA治療の効果が弱いためにAGAの進行速度と打ち消しあってしまっているのです。
たとえばAGAの発毛剤治療はプロペシアとミノキシジルというふたつの発毛剤を併用するのが一般的ですが、どちらか片方しか使っていない場合などは現状維持程度の効果に落ち着くことが多いようです。
この場合はAGA治療をより強いものにする(薬の濃度を上げる・種類を増やす等)か、治療方法を変えてみるといったことが対策として機能します。
2.治療がすぐに終わるものだと思っている
「治療してるけど効果がない!」と憤慨している人に多いのがこの「治療がすぐ終わると思っている」パターンです。
風邪をひいたり熱を出したりしたときは病院で薬をもらって1週間もすれば治ってしまうせいか、薄毛治療もすぐに終わるものだと勘違いしている人はかなり多いです。
薄毛治療の相談をしに来た人にこの話をすると大抵「いやいや、おれはそんなにすぐ治療が終わるとは思ってないよ」と言うのですが、「じゃあどれくらいで終わると思う?」と聞くと「3ヶ月くらい」と思っている方が多いです。
確かに3ヶ月もあれば大抵の怪我や病気なら治ってしまうでしょう、しかしながら、薄毛治療に関して言えば、3ヶ月ではようやく髪が生えたのを実感できるくらいです。
ほとんどのAGAクリニックでは治療の効果が出てくるまでの期間を半年から1年と見積もっています。早くて半年です。
なぜ治療に長い時間がかかるのか
AGA治療に長い時間がかかる理由は髪の毛の伸びるスピードが関係しています。
「髪の毛を早く伸ばす方法って存在するの?髪が伸びる仕組みと1ヶ月に伸びる長さの限界をわかりやすく解説」でも解説しているように、根本的に髪の毛は1ヶ月に1cmしか伸びません。
髪が伸びる早さにも個人差はありますが、それはせいぜいミリ単位の話です。1ヶ月に1cm伸びるのが普通だけど、たまに1月で5cm伸びる人もいるみたいなことにはなりません。0.9cmの人もいれば1.2cmの人もいるとかそういうレベルの話です。
薄毛治療は生えなくなった髪の毛を再び生えてくるようにする治療であって、髪の毛が伸びるスピードを速める治療ではないので、人体の基本ルールを無視して髪の毛を生やすことはできないのですね。
ですから、もし仮にAGA治療の効果が治療の翌日から出てきて、治療翌日から髪の毛が生えてきたとしても6cm伸びるのに半年かかります。
もちろんこれは仮定の話で、実際にAGA治療の効果が翌日から出てくることは考えにくいです。よって、薬の効果が出てくるのに必要な時間なども考慮すると1年以上はかかってしまうという計算になるわけです。
薄毛の症状に個人差がある
ひとくちにAGAといってもその症状は多岐に渡りますし、それが軽度なのか重度なのかという差も出てきます。
症状が初期の人よりも末期の人の方が治療に時間がかかるのは当たり前の話で、例えばAGA治療で効果が出るまでの期間は半年〜1年と言われているわけですが、AGAの末期ですとやはり時間がよりかかる可能性が高いです。
症状が進んでいればいるほど治療にも多くの時間がかかるという点はしっかりと認識しておくべきです。
薬の効き方に個人差がある
症状だけでなく、薬の効きかたにも個人差があります。
いわゆる「免疫」のようなものを身体に持っていて、他の人よりも薬が効きにくいという体質の人は少なからずいます。
AGA治療薬に免疫がある人は他の人よりも薬の効きが弱いですから、どうしても治療に長い時間がかかってしまうのです。
薄毛治療をしているのに薄毛が悪化して行くふたつの理由
薄毛治療をしているはずなのに、むしろ薄毛がどんどん進行していくという悩みを抱えている場合は以下のふたつの理由が考えられます。
1.医学的な根拠のある治療をしていない
実はあなたが薄毛治療だと思っていることが薄毛治療でもなんでもないというケースがあります。
特に多いのが市販の育毛剤・育毛シャンプーで薄毛を治そうとしているケースです。
「あなたの知らない育毛剤の真実」の記事でも解説しているように、ドラッグストアや通販で手に入る育毛剤・育毛シャンプーに髪の毛を生やす効果はありません。これはもう個人差云々の話ではなく、単純に市販の育毛剤には薄毛を治す成分が入ってないので薄毛が治らなくて当たり前なのです。
薄毛を治す成分が入っていないものを「薄毛治療だ」と思い込んで使い続けても、薄毛は進行し続けていきます。
本格的な薄毛治療をしたいのであれば、薄毛治療専門のクリニックを受診する必要があるのです。
民間療法も同じくAGA治療効果はなし!
ワカメを食べると毛が生えるとか、ひじきを食べると毛が生えるといった、いわゆる「民間療法」に頼っている場合もAGAが治ることは絶対にありません。
冷静に考えますと、特定の食べ物を食べるだけで髪の毛が生えてくる可能性は低いです。
薄毛の人にとっては嬉しいかもしれませんが、すでに髪の毛がフサフサの人からすれば食べるだけで毛が生えてくる食べ物などかなり困るわけであり、そんな食べ物があったら今頃は人間が食べられないように規制されているはずです。
結論、食べ物を食べるだけで薄毛が治るなんてことはないのです。
他にもツボを押すだけで毛が生えてくる「ツボ押し」なんて民間療法もありますね。
「経穴で薄毛治療のデマを暴く!」でも解説しているように、単に頭皮のツボ押しをして頭皮の血行をよくしただけではAGAが治るなんてことにはなりません。足裏や手のひらなど別の場所のツボ押しに至ってはさらに効果は疑わしいです。
こういったデマで薄毛を治そうしているなら、あなたの薄毛は治ることがないでしょう。
2.プロペシアが効かないタイプのAGAになっている
AGA治療薬として広く使われているプロペシアですが、実はプロペシアでは効果が不十分なAGAというものがごく稀に存在します。
プロペシアの効果はAGAの原因となっているDHTという男性ホルモンを作っている5α-リダクターゼという酵素のはたらきを阻害するというものなのですが、実はこの5α-リダクターゼには種類がふたつあって、プロペシアはそのうちの片方しか阻害していないのです。
大多数のAGA患者はその片方だけがDHTを作り出しているためにプロペシアでAGAの治療ができているのですが、稀にどちらの5α-リダクターゼも薄毛に関わってしまっている人がいます。
その人は片方だけの5α-リダクターゼを阻害しても、もう片方の5α-リダクターゼがDHTを作ってしまうのでプロペシアを飲んでもAGAが治らないのです。
この場合はどちらの5α-リダクターゼも阻害することのできる「デュタステリド」という薬を飲む必要があります。
デュタステリドは効果の高い薬なのですが、それと同時に副作用も強いという欠点があるためにまず最初はプロペシアから処方されるのが一般的なのです。
ですので、もし投薬治療で効果が得られないようでしたら使用する薬をデュタステリドに変えてみるというのが有効です。
デュタステリドについては「デュタステリドを徹底解説」でも解説していますので、詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。