発毛剤
2017.10.07更新
リアップシリーズに含まれてる発毛成分「ミノキシジル」ってどんな成分?
このページではリアップの成分「ミノキシジル」について解説します。
リアップそのものについて詳しく知りたい方は「リアップを徹底解説」を参考にしてください。
目次
1分でわかるミノキシジル
ミノキシジルは「塗った場所に毛を生やす」という効果を持った発毛剤の成分。
その効果は医学的にも認められており、またどんな人にも効果をもたらすため、薄毛だけでなく円形脱毛症のような病気の治療にも使われている。
もともとは高血圧治療のための成分として開発され、副作用として毛が生える効果が出てきたという歴史があり、そのせいで「なぜ毛が生えるのか」という点についてはまだ詳しく解明されてはいない。
副作用は使用部位のかゆみや発疹といった肌の異常が主。
これは薬を塗ったことで頭皮が軽いアレルギー反応を起こすためで、肌が弱い人ほどこれらの副作用が起こる可能性が高い。
もともと心臓が弱い人や血圧の高い人には動悸や胸の痛みといった副作用が出たという報告もあり、心臓や血圧に異常がある人は使用を控えるべき。
ミノキシジルとは?
ミノキシジルは「塗った場所に毛を生やす」という効果を持った発毛剤成分です。
もともとは高血圧治療に使う飲み薬として開発されていた成分なのですが、試験中に「飲んだ人に毛が生えてくる」という副作用が見つかったため、その副作用を逆手に取って発毛剤として使われるようになりました。
特定の脱毛症専用の治療薬ではないという特徴から、男性でも女性でも症状を問わず使うことができます。
ミノキシジルの効果
ミノキシジルの効果は「塗るか飲むと毛が生える」というものです。
ですが、実は現代の医学・薬学ではミノキシジルがなぜ発毛効果をもたらすのかがわかっていません。
上の方で少し触れましたが、ミノキシジルはもともと高血圧の治療に使う「降圧剤」という薬として開発されました。人の血圧を下げるために作られたので、発毛成分は入れていないのです。
にも関わらず毛が生えてきたために「なぜ生えてきたんだ?」となっているわけです。
一応毛が生える原理として毛母細胞(髪の毛を作っている細胞)を活発化させているらしいことは確かなのですが、じゃあ「なぜ活発化させることができるのか」という点はわかっていないんですね。
毛を生やすつもりで作っていないため、なにがどう作用して毛が生えているのかがわからず、ただ「毛が生える」ことだけがわかっている。それがミノキシジルなのです。
AGAの原因を解決しているわけではないので単体でのAGA治療は難しい
男女問わず、さまざまな脱毛症に使えるという特徴からもわかるように、ミノキシジルの発毛効果はAGAの原因を阻害することで起こっているわけではありません。
ですので、毛をフサフサにするようなレベルのAGA治療はリアップ単体では難しいと言えます。
リアップを使っていてもAGAは進行を続けるため、リアップによる発毛とAGAはによる薄毛が同時に発生するからです。
もしもリアップでAGA治療を行いたい場合はAGAの原因を阻害する「プロペシア」との併用が好ましいといえます。
リアップとプロペシアの併用については「リアップとプロペシアでAGA治療」の記事で解説していますので、より詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
ミノキシジルの使用期間
ミノキシジルは使ってすぐに毛が生えるような薬ではありません。
使って数日どころか1~2ヶ月使っても効果が現れないのが普通で、リアップもホームページ上で公開している実験データでは「6ヶ月以上使えば9割以上に改善が見られるが、3ヶ月だと6割程度に収まる」としています。
4週間後にはすでに軽度改善が見られるようになり、8週間後には被験者の1割以上に、12週間後には6割近くに軽度改善が見られました。24週間後、つまり約6ヵ月後からは「軽度改善」「中等度改善」「著明改善」をあわせて、実に9割以上に改善が見られます。 24週間後から「軽度改善」より「中等度改善」の評価の割合が高くなっています。まずは半年、そしてより長く継続することで、改善の度合いも高くなることが期待できそうです。
しかもこれは「改善が見られる」までに要している期間なので、実際に満足できるレベルにまで回復させるためにはさらに多くの時間が必要となります。
最低でも1年の継続は考えておくべきでしょう。
また、ミノキシジルは使っている間しか効果を発揮しないため、症状によっては使用を中止すると再び抜け毛が発生する可能性が高いです。
単に6ヶ月使えばいいというわけではなく、自分が「もう生えなくてもいいや」と思うまでは使う必要があります。そういう意味ではミノキシジルは何年何十年といったレベルで使用しないといけない薬であるとも言えます。
ミノキシジルの副作用と初期脱毛
ミノキシジルの副作用は頭皮の軽い炎症によるかゆみや発疹
リアップにおける副作用発現率などの詳しいデータは「食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録」で以下のように語られています。
調査施設は518施設、症例数は3,072例でありまして、報告されました副作用は271例、378件、副作用発現率は8.82%でございました。
内訳は、適用部位そう痒感123件、適用部位発疹43件などとなっております。
このデータによれば、ミノキシジル外用薬の副作用でもっとも多く確認されているのは頭皮のかゆみ、発疹です。
これは頭皮に直接薬を塗ったことによって頭皮がアレルギー反応を起こしたためだと考えられます。
ですので、もともと肌が弱い人はこれらの副作用が出やすい可能性が高いことには注意が必要です。
心臓が弱い人や血圧が高い人には動悸や胸の痛みが起こる可能性も
リアップの議事録では特殊な事例として「狭心症、高血圧等の既往のある患者において、動悸、胸痛等の循環器系副作用に関する報告が相次いだ」という結果が出ています。
簡単に言えば、心臓の病気や高血圧の病気を持っている人には動悸や胸の痛みが出てきたということです。
健康な人の動悸・胸の痛みについては言及されていないので大丈夫ですが、もともと心臓や血圧に問題を抱えている人はリアップの使用を控えた方がいいかもしれません。
低血圧になる副作用はないと言っていい
一部では「もともと血圧を下げるために開発されたミノキシジルを使うと低血圧になる危険がある」と過剰に危険性を広めている人もいますが、実際にリアップを頭皮に塗って低血圧になる可能性はほぼないと言っていいです。
なぜなら、リアップは血圧を下げるには濃度が低すぎるからです。
リアップはミノキシジルが5%の濃度で配合されています。(リアップX5プラスの場合)
そして、リアップは1日あたり2mlの使用を推奨されてますから、2mlの5%=1mgのミノキシジルが頭皮に塗られることになります。
一方で、高血圧治療に使われるミノキシジルはミノキシジル5mg配合の錠剤か10mg配合の錠剤で、これを1日1錠飲むことになっています。これはリアップ5回分の濃度です。
ミノキシジルはここまでの濃度で使わないと血圧が下がらないのです。
しかも高血圧治療に使うミノキシジルは飲み薬なのに対してリアップは塗り薬ですから、身体全体までミノキシジルが行き渡りません。
仮にリアップを5倍の量使ったとしても、高血圧治療と同じ効果が出るとは考えにくいでしょう。
これらの点からミノキシジル外用薬に血圧を下げる副作用が出ることはないと考えられるのです。
ミノキシジルの初期脱毛
リアップを使い始めると最初の1~2ヶ月くらいは抜け毛が大量発生してしまうことがあります。
これは初期脱毛といって髪の毛を成長させるためにあとから抜けるはずだった毛が前倒しで一気に抜けてしまう現象です。
副作用と混同されることもありますが、初期脱毛はミノキシジルの効果が出てきたことを示している証拠のようなもので気にする必要はありません。
初期脱毛については「リアップで初期脱毛が起こる原因とその期間」で解説していますので、より詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
まとめ
ミノキシジルは「毛を生やす」という効果を持っており、AGA以外の脱毛症にも使われている成分です。
副作用は頭皮のかゆみや発疹といった皮膚の異常が主で、特別な事例として心臓が弱い人や血圧が高い人に胸の痛みや動悸が出てきたという報告もあります。