フィナステリドとプロペシアってなにが違うの？今更聞けないAGA治療の疑問に答えます

このページでは発毛剤について調べるとよく行き当たる疑問である「プロペシアとフィナステリドの違いについて」を解説します。

1分でわかるプロペシアとフィナステリドの違い

フィナステリドはAGA治療の効果を持った成分で、プロペシアはそのフィナステリドを配合した薬の名前。

つまり、実態としてはプロペシア＝フィナステリドということ。

ただし、フィナステリド配合の薬はプロペシアだけではなく、ジェネリック医薬品が何種類か出ている。

フィナステリドとは？

まずはフィナステリドについて説明しましょう。

フィナステリドはアメリカで開発されたAGA治療薬の成分名です。

もともとはAGAとは無関係の病気の治療薬として作られたのですが、副作用としてAGAの治癒が見られたために男性型脱毛症の治療薬として認可されることになったという歴史があります。

科学的な作用機序としてはAGAの原因のひとつとなっている「DHT」の生成を阻害することでAGAによる抜け毛を防ぐというものです。

毛が生える成分というよりはAGAによる異常な抜け毛を止める成分と言ったほうが正しいですね。その性質からAGA以外の脱毛症には効果がなく、円形脱毛症などで困っている患者には処方されません。

詳しいことは「男性型脱毛症の治療薬「フィナステリド」を効果や副作用、価格から治療メカニズムまで徹底解説！」で解説していますのでこちらも参考にしてください。

プロペシアとは？

プロペシアはAGA治療に使われる薬の薬品名です。

効果や副作用、入手方法、値段といった詳しい情報については「プロペシアを徹底解説」にて解説しているので、今回はざっくりと説明します。詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

プロペシアは1992年にアメリカで開発されたAGA治療薬が日本で販売の認可を受けたもので、日本ではＭＳＤ株式会社という製薬会社が製造・販売しています。

単純に毛が生える効果を持っているオールラウンダーなミノキシジルを除けば、医学的な効果があると認められた初めてのAGA治療薬で、その副作用の少なさから現在でも多くのAGAクリニックや皮膚科で処方されています。

その効果はAGAの原因のひとつである「DHT」の生成を阻害することで、有効成分はフィナステリドです。

プロペシアは薬品名でフィナステリドは成分名！

要するにプロペシアという薬の成分として含まれているのがフィナステリドなのです。

つまり「プロペシアとフィナステリドの違いはなに？」という質問は「フライドポテトとジャガイモって何が違うの？」と聞いているようなものであって、その答えは「出来上がったものとその材料という違い」になります。

また、フィナステリドの錠剤を指して「フィナステリド」と呼ぶこともあり、その場合はプロペシアとフィナステリドの間には一切の違いがありません。

とにかくどちらの場合でも「プロペシアとフィナステリドはどちらの方が効果的なのか？」という疑問に意味はなく、プロペシアもフィナステリドもまったく同じものなのです。

フィナステリドの薬はプロペシア以外にも存在することにだけ注意！

一昔前までは薄毛治療の知識としては「プロペシア＝フィナステリド」とだけ覚えておけばなんの問題もありませんでした。これさえ覚えておけば「プロペシアとフィナステリドのどっちを使えばいいんだろう？」などという無意味な悩みを抱えなくて済みますからね。

現代でもそれは間違いではないのですが、一点だけ注意して欲しい点が増えています。それがフィナステリド配合の治療薬はプロペシアだけではなくなったということです。

2015年にプロペシアの特許が切れたため、成分がまったく同じであるジェネリック医薬品のファイザーが発売され、それ以降多くのジェネリック医薬品が開発・販売されているために「フィナステリドの錠剤」がプロペシアだけを指さなくなりました。

詳細は「プロペシアのジェネリックってどれくらい種類があるの？値段は？そんな疑問にすべて答えるプロペシアのジェネリック医薬品総まとめ！」で解説していますが、現在の日本にはプロペシアを含めると9種類のフィナステリド錠剤が存在するんです。

これらはいずれもフィナステリドではありますが、プロペシアではありません。プロペシアのジェネリック医薬品なので効果はまったく同じなのですが、薬の名前が違うのです。

具体的に名前を列挙すると、

• 「TCK」（辰巳化学株式会社）
• 「武田テバ」（武田テバファーマ株式会社）
• 「ファイザー」（ファイザー株式会社）
• 「トーワ」（東和薬品株式会社）
• 「サワイ」（沢井製薬株式会社）
• 「クラシエ」（大興製薬株式会社）
• 「SN」（シオノケミカル株式会社）

はすべてフィナステリドということになります。

フィナステリドとプロペシアの違いという議題からは少々ズレますが、「プロペシアとファイザーのどっちを使えばいいんだろう？」などと無意味に悩まないためにも「プロペシアはフィナステリドだが、プロペシア以外のフィナステリドもある」ということも覚えておいてください。

海外のフィナステリド錠剤もある

上記の8種類は日本国内で作られ、売られているフィナステリド錠剤なわけですが、当然国外にもフィナステリドの錠剤は存在します。

フィンペシアやエフペシア、フィナロといったインド製のフィナステリド錠剤が特に有名です。

海外のフィナステリド錠剤は海外の薬なので日本では認可されていないのですが、値段が安いので海外から通販して個人的に輸入を行なっている人もいます。
（個人輸入については「個人輸入を徹底解説」を参考にしてください）

まとめ

プロペシアはAGA治療薬の薬品名、そしてフィナステリドはその治療薬に含まれる成分名ですので「プロペシアとフィナステリドの違いはなに？」という質問の答えは「違いなんて無い」ということになります。

どちらも同じなのですから「プロペシアとフィナステリドはどっちが効果があるんだろう」などという悩みは完全に無意味だということですね。安心して「プロペシア＝フィナステリド」と覚えてください。

ただし、2015年からはプロペシア以外にもフィナステリドの薬が作られるようになったため、フィナステリドが必ずしもプロペシアを指す言葉とはならなくなりました。

プロペシアの成分がフィナステリドである事実は変わりませんが、フィナステリド錠剤と言われたときにプロペシア以外が処方されることもあるという点については頭の片隅にでも置いておいてください。