髪の毛の雑学
2017.05.23更新
しじみを食べると育毛に良い?「オルニチン」が持つ効果を解説
みなさんはしじみに多く含まれている成分「オルニチン」をご存知でしょうか?
オルニチンは肝機能をよくしてくれることで有名な成分なのですが、最近これが育毛にも効果的であるという噂が広まっています。
果たして本当にしじみを食べることは髪の毛に良い影響をもたらすのでしょうか?
このページではしじみの持つ成分「オルニチン」について解説していきます。
しじみが含む成分「オルニチン」の効果
なぜしじみが髪の毛に良いと言われているのか。
それにはしじみに多く含まれている「オルニチン」という成分が関係しています。
オルニチンは体内で分解されると「ポリアミン」という物質に変わるのですが、このポリアミンが細胞分裂に関わっている酵素のはたらきを活性化させる効果を持っているんですね。
髪の毛の成長とは、簡単に言えば毛根にある「毛母細胞」の細胞分裂ですから、細胞分裂を活性化させればすなわち髪の毛の成長も活性化すると、そういう理屈なわけなんです。
オルニチンを摂取しても薄毛は改善しない
オルニチンは髪の毛の成長に関して良い影響を与えられる成分であるかもしれません。
しかし、オルニチンで薄毛を改善したり、治療することはできません。
男性の薄毛の原因の大半である「AGA(男性型脱毛症)」は遺伝形質と男性ホルモンによって「脱毛因子」が作られてしまうのが原因です。
医学的に認められている治療法はこのうち原因となる男性ホルモンの生成を抑えるものです。
男性ホルモンの生成を減らせば、脱毛因子も減るという論理ですね。
これらの原因にオルニチンやポリアミンが同じように作用するのかというと、そんなことはありません。
いくらオルニチンが血行を活性化させようと、オルニチンが薄毛の原因を取り除いてくれるわけではないのです。
つまり、しじみには薄毛を治したり、予防する効果はないということなんです。
結局薄毛の人はしじみを食べたほうがいいの?
結局のところ「私たちはしじみを食べるべきか否か」という話なのですが、薄毛を治したいとか薄毛を予防したいという目的であればわざわざしじみを食べる必要はありません。
しじみに薄毛を治したり予防する効果はないからです。そういう目的であれば男性型脱毛症治療薬の「フィナステリド」や発毛剤の「ミノキシジル」などの薄毛治療薬を使うべきです。
ただし、「日常的な生活を髪の毛に良いものに変えていきたい」というような目的であれば毎日しじみを食べることは良い習慣になります。
食べるぶんには何も問題はありませんが、とにかく「しじみさえ食べていればすべて大丈夫」といった認識だけは持たないようにしましょう。
じゃあ薄毛対策はどうすればいいの?
先ほども説明しましたが、男性の薄毛症状の大半はAGAという脱毛症によって引き起こされています。
AGAは医学的な治療で改善することができるのです。
一番手軽であろう発毛剤による治療を例にとって話しますと、薄毛の原因のホルモンを抑えたり髪の毛が生える薬を毎日飲んでいくというものです。
正直手間はほぼかかりませんし、毎日しじみを食べるよりもよほどお手軽です。
根本的な薄毛対策をして髪の毛を生やしたい方は薄毛治療を行っているクリニックを受診し、薄毛治療薬を処方してもらうようにしましょう。