発毛剤 髪の毛の雑学
2017.10.18更新
ミノキシジルでEDになるって本当!?ミノキシジルの副作用を徹底解説!
このページでは、ミノキシジルとEDになるって本当の関係を徹底的に解説していこうと思います。
ミノキシジルとは
ミノキシジルは「塗った場所に毛を生やす」という効果を持った発毛剤成分です。その特徴から男性でも女性でも症状を問わず使うことができる発毛剤です。
もともとは高血圧治療に使う飲み薬として開発されていた成分なのですが、試験中に「飲んだ人に毛が生えてくる」という副作用が見つかり、その副作用を逆手に取って発毛剤に使われるようになりました。
薄毛の原因を根本的に解決するような薬ではなく単純明快に「毛を生やす」という効果であるため、単なる薄毛だけでなく「円形脱毛症」のような毛が抜ける病気にも使われています。
なぜ毛が生えるのかは解明されていませんが、「ミノキシジルの成分が毛母細胞を刺激し活性化させるから」という説が現在は主流です。
ミノキシジル配合薬の種類
ミノキシジルの副作用を説明する前に、ミノキシジルを配合した薬の種類を紹介します。
薬は種類によって副作用も変わってきますから、面倒臭がらずに一度確認してみてください。
頭に塗る外用薬
まずは有名な塗り薬の方から紹介します。
ミノキシジルには塗って使うタイプの薬が販売されていて、有名なのは大正製薬が販売する「リアップシリーズ」でしょう。
髪の毛を生やしたい部分に直接塗って使うため使い勝手がよく、毛がほしい部分に絞って効果を得られるため人気です。
ただ、塗って使うと成分が浸透するまでに汗や水で流れてしまったり、皮膚のバリア効果もあるため、あまり高い効果が期待できません。
薬を飲む内服薬
内服薬は、正式には髪の毛用として認可を受けていませんが、体内に成分が行き渡り高い効果が見込めるため一部の医療機関では内服薬が使われます。
有名なのは「ノキシジル」や「ロニテン」あたりでしょうか。
ミノキシジルのタブレットなので、一般的にはミノタブと呼ばれています。
ミノキシジルでEDになる?
ミノキシジルの説明が終わりましたが、本題のミノキシジルとEDの本当の関係を解説していきましょう。
まず結論から言いますと、ミノキシジルを使ってEDになることはまずないです。
何故かといいますと、ミノキシジルは血管を拡張したり毛母細胞を活性化させる力しか無く、男性器に影響を与える効果なんてないからなんですね。
例えば、AGAの治療薬として有名な「プロペシア」は強い男性ホルモンの生成を妨害する薬なので、男性器関係の副作用(精子減少や性欲減退など)が出る可能性はあります。
実際にプロペシアの説明書には副作用として「ED」「精力減退」などが記載されています。
しかし、ミノキシジルの場合は男性ホルモンには何ら影響を与えているわけではありません。
ミノキシジルの作用を考えるとEDになる可能性は極めて低いといえるでしょう。
例外的にミノキシジルでEDになるケースもある
ただし、例外的にミノキシジルでEDになるケースがあります。
それが「思い込みED」とでも呼べるものです。
人間というのは不思議なもので、「こうだ」と強く思い込むと、その通りになることがあるんですね。いわゆる「プラシーボ効果」と呼ばれるものですね。
医薬品を販売するときは、効果や安全性を調べるために臨床試験を行います。この臨床試験は2つのグループに分けて行われます。
その2つとは「本物だけを使うグループ」と「偽物だけを使うグループ」です。
「この効果はプラシーボ効果によるものではないのか?」という疑念を晴らすために、片方は効果のない偽物を使うグループを作るのです。
そして本物と偽物の効果の差を調べるわけなんですね。
ミノキシジルのEDも同じ事です。
「ミノキシジルってEDになるって聞いた」「薬を使ってから性欲が減った気がする」こんな不安が積み重なると、だんだんそれが強い思い込みになり、本当にEDになってしまう可能性はゼロではありません。
ミノキシジルにはEDになる副作用は存在しないので、気にしすぎないようにしましょう。
ミノキシジルで確認されている副作用
ミノキシジルでEDにならないとは説明しましたが、それでミノキシジルが完全に安全だと言うわけではありません。
ミノキシジルにはミノキシジルの副作用がありますので、それを紹介していきます。
塗り薬の場合は比較的軽い
ミノキシジルの塗り薬は、成分が浸透しにくいのもあって効果は控えめですが、その代わり飲み薬よりも副作用も軽めであることが多いです。
頭皮の軽い炎症によるかゆみや発疹
ミノキシジル外用薬の副作用でもっとも多く確認されているのは頭皮のかゆみ、発疹です。
リアップの販売元である大正製薬がホームページで公開しているデータによれば、リアップX5の副作用発現率は被験者50人中8.0%で、内訳が湿疹2.0%、毛のう炎2.0%、接触皮膚炎2.0%、その他2.0%となっています。
要するに50人中4人に副作用が出て、それぞれの症状が1人ずつ居たということですね。
試験人数が50人と少な目なのでデータとしての正確性には欠けますが、これを見る限り、ミノキシジル外用薬の副作用は頭皮が軽い炎症を起こすことだと言えます。
飲み薬の場合
ミノキシジルの飲み薬、つまりミノタブは成分が体内に直接吸収されるため、塗り薬よりも強く副作用が出る可能性があります。
動悸やめまい、顔のむくみ
ミノキシジルがもともとは高血圧治療のための薬であることは最初に説明したとおりです。
つまり、ミノキシジルには血圧を下げる効果があるわけです。
これは高血圧の人にとっては嬉しい自体ですが、健康的な人にしてみればデメリット以外のなにものでもありません。
塗るタイプのミノキシジルであれば効果が小さいため、血圧を下げる効果はほぼ起こらないのですが、ミノタブの場合は違います。
高血圧治療に使うミノタブよりミノキシジルの配合量が少なくなってはいるものの、きっちりと血圧を下げる効果が出てしまうため、健康被害が発生する危険があるのです。
血圧が下がると動悸やめまいといった症状が起こります。
このときの症状の強さは個人差が強いため、どれくらいのものを覚悟すればいいかというのは具体的に注意しておくことはできません。
さすがに心臓がはちきれそうなほど痛んだり、気絶しそうなほど頭がクラクラするといった事態にはなりませんが、「ちょっと違和感があるかな?」というレベルの人もいれば「明らかに心臓が変だぞ!」と感じる人もいます。
また、血圧が下がると血流が弱くなって血液の循環がスムーズにいかなくなり、顔にむくみが出る可能性もあります。
むくみのひどさや期間についてもやはり個人差があるので具体的に言及はできないのですが、ひどい場合は顔が変形するくらいむくんでしまうことがあるようです。
全身の毛が濃くなる!
これは厳密には副作用とは少し違いますが、ある意味では副作用とも呼べる現象です。
塗るミノキシジルは「塗った場所に毛が生えてくる」という薬なわけですが、これは言い換えるなら「成分を吸収した部分に毛が生えてくる」という効果になります。
通常のミノキシジルであれば頭皮にしか塗らないので髪の毛だけ生えてくるわけですが、これがミノタブになると成分は身体全部に行き渡ります。
先ほども少し解説しましたが、ミノタブの発毛効果が強いのは血液に乗って毛根まで成分が届くからです。そして血液は身体全体を巡っています。
つまり、ミノキシジルの成分が身体のあらゆる毛根に届いてしまうのです。
こうなると髪の毛だけでなく全体的に体毛が濃くなってしまいます。
具体的にはヒゲやすね毛、腕毛など「もともと濃い毛」はさらに濃く太くなっていきます。
さらに「今まではまったく気にならなかった産毛」が濃くなるせいで今まで毛が生えていないと思っていた部位まで毛深くなります。
例えば日本人だと「胸毛が生えてない」という人は結構多いと思いますが、実は生えてないんじゃなくて一見しただけではわからないくらい薄い産毛が生えてるだけなんですね。
ですから胸毛が生えていないと思っていたのに胸毛が生えてきたりだとか、手の甲・足の甲みたいなぱっと見だと毛が生えてなかったような部位にまで太く濃い毛が生えてくるという事態が発生してしまうこともあります。
足の裏や手のひらなど、もともと毛が生えない部位以外の毛はすべて濃くなると考えたほうがいいでしょう。
要するに、ミノタブを飲むと全体的に毛深くなるのです。
ミノタブの毛深くなる副作用は確実に出る!
通常の副作用であれば「出る可能性がある」というものになりますが、多毛はまず間違いなく出ると言っていいでしょう。
ミノタブを飲むと毛が生えてくるのはミノキシジルの成分が血液に乗って髪の毛の毛根に届いたからです。
そして体毛が濃くなるのはミノキシジルの成分が血液に乗って体毛の毛根に届いたからです。
要するに体毛が濃くなる効果は髪の毛の発毛効果と完全に同じ理由で発生するため、「副作用が起こらない」ということがないのです。
もし体毛が濃くなる副作用が出なかったのなら、それは髪の毛が生えてくる効果も出てきていないということになります。