抜け毛 髪の毛の雑学
2017.06.04更新
この薄毛と抜け毛は何?脱毛症の種類、原因と対処法!
最近の日本では薄毛・抜け毛が老若男女問わず発症しています。
気付くタイミングはそれぞれ、「たまたま鏡を見て」「知人に指摘されて」などあると思います。
そして薄くなった頭を見て、「原因はなんだ?」と心当たりがない場合も多いです。
さらに厄介なことに、薄毛の原因も症状もバラバラなんです。
そのため、あまり原因がわからず余計に悩みこんでしまう…なんてこともあります。
このページでは薄毛・抜け毛の原因と対策を紹介しています。
男性特有の薄毛「AGA(男性型脱毛症)」
「おでこが広くなってる…」「つむじ辺りが薄くなってる…」と思う男性はAGAである可能性があります。
AGAには主に頭のてっぺんから薄くなる「O型」と、おでこの方から後退していく「M型」2つが合体したような「U型」「A型」などに分かれています。
基本的に男性のみ発症する薄毛で日本人の約30%もの人が発症するので、嬉しくはないですが最もポピュラーな薄毛であると言えます。
「薄毛かな…」と思ったらまずAGAを疑えと行っても過言ではないくらい発症率が高い薄毛です。
AGAの原因
普段私たちが男性ホルモンと呼んでいる物は「テストステロン」といって、男女両方に必ず存在します。
このテストステロンは特に男性が多く持っていて、筋肉の育ち方や骨格の発達に欠かせないものです。
つまりテストステロンはとても大切な物なのですが、このテストステロンが「5α-リダクターゼ」という酵素と合体すると「ジヒドロテストステロン(DHT)」という超強い男性ホルモンになります。
このDHTも通常は役に立つ良い物質なのですが、DHTが前頭部~頭頂部に存在する男性ホルモン受容体と結合することで、毛を抜いてしまう「脱毛因子」を生み出してしまうのです。
男性のハゲ・薄毛が前頭部~頭頂部にしか現れないのは、男性ホルモン受容体があるからなんですね。
AGAについては「男性型脱毛症「若ハゲ」、AGAとは?」で詳しく説明しています。
AGAの対策
AGAの治療に「フィナステリド」と「ミノキシジル」が使われます。
フィナステリドはDHTが作られないように抑えてくれる薬です。
DHTが生まれなければ受容体と結合せず、結果脱毛因子が生まれなくなるので抜け毛が止まるという仕組みですね。一方で、ミノキシジルはシンプルに「毛を生やす」という効果を持っています。
「止めるフィナステリド」と「生やすミノキシジル」の両方を同時に使うことでより効果を発揮するという現在一番有効な対処法です。
また、AGAの対処法の1つに自毛植毛という方法もあります。
自毛植毛は自分のハゲていない部分から毛根を取ってハゲている部分に植え直す手術です。
最近では痛みも施術時間も少なく済むようになってきているため、薬の効果では満足できない人におすすめです。
一括でそれなりの費用が必要ですが、一度施術した後は特別なケアは必要なく普通の自分の髪の毛として生涯髪が生え続けます。
ただし、完璧なように思えますが「自分の毛を移し替えているだけ」という点に注意しましょう。
別の場所から持ってきただけで、髪の毛が増えるわけではありません。
あまりにも脱毛状態が悪い場合施術できない可能性もあるということを覚えておきましょう。
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その他の薄毛・抜け毛
男性のハゲ・薄毛の原因のほとんどはAGAなのですが、少数ながらそれ以外の原因でハゲ・薄毛になってしまうこともあります。
これらは原因と対処法が明確になっているので、心当たりがあれば比較的簡単に治すことができるものが多いです。
びまん性脱毛症
ダイエット中や食事制限中に薄毛になった人はびまん性脱毛症である可能性があります。
主に髪の毛全体が細く薄くなり、ボリューム感がなくなっているのが特徴の薄毛です。
原因は主に老化と栄養不足で、ダイエットなどで食事制限をする女性に多く発症する傾向があります。
対策法と対処法は明確で、きちんと食事を摂って栄養を補給してあげることです。
髪の毛も体の一部なので、栄養が無ければ育つことができません。
ダイエットは食事制限では無く体を動かす方法を取りましょう。
円形脱毛症
「頭の一部が丸くハゲてる…」こんな人は円形脱毛症である可能性があります。
円形脱毛症はいわゆる「10円ハゲ」と呼ばれるもので、一部が円形にハゲるのが特徴です。
今まではストレスが溜まると発症すると言われて来た円形脱毛症ですが、最近では「自己免疫疾患」つまり自分が持っている免疫の不具合が原因だと判明しています。
これは免疫の不具合が原因なので、放っておいても治ることがあります。
ただし、円形脱毛症の重症度によっては自然回復が見込めないこともあるので、基本的に皮膚科に通うことをおすすめします。
脂漏性皮膚炎
一言でいうと頭皮が炎症を起こす病気です。
誰の頭皮にもいる「マラセチア菌」という菌が頭皮や髪の毛を守ってくれている皮脂を酸化させてしまい、酸化した皮脂が頭皮にダメージを与えることで起こります。
症状は薄毛や抜け毛よりも炎症によるかゆみや痛みが強いので、見分けるのはとても簡単です。
脂漏性皮膚炎になる原因は主に「洗髪不足」「洗髪過剰」であることがほとんどなので、正しい洗髪方法を身に着けて予防しましょう。
正しい洗髪方法については「排水溝に絡みつく抜け毛とさよなら!正しいシャンプーの使い方」をご覧ください。
老人性脱毛症
年齢を重ねる毎に自分の体の不調や衰えを強く感じるようになると思います。
そんなとき、ふと鏡を見て「髪が薄くなってる…」と思った人は老人性脱毛症である可能性があります。
体だけでなく頭皮も例外なく衰えていくので、毛を作る力や育てる力が不足して髪の毛が細くなってしまうのが原因の薄毛です。
つまり、抜けはしませんが1本1本が細くなるので全体的に薄くなるのです。
細くなった毛が抜けたり千切れたりしないように工夫することで悪化を防ぐことができます。
完治は難しいですが、医師の指導の元でミノキシジルを使えば回復することもあります。
老人性脱毛症を解決したい方は、一度医師に相談してみることをおすすめします。
牽引性脱毛症
よく髪を結んだり、エクステを頻繁に使う人は牽引性脱毛症である可能性があります。
牽引性脱毛症とは名前の通り「引っ張って起きる脱毛症」です。
人間の毛は引っ張り続けると抜けてしまう性質があるため、髪を強く結ぶなど、髪の毛に負担をかける事を続けると抜けてしまいます。
これは病気ではなく、どちらかというと「怪我」なので自然治癒しますし未然に防げます。
原因は「引っ張り過ぎ」で、対策も「引っ張り続けるのをやめるだけ」と単純明快です。
男性ではあまり見られない薄毛ですが、髪を結ぶ習慣がある方はきちんと休止期間をおいて負荷がかかり過ぎないように注意しましょう。
パーマやヘアダイ(染毛)による薄毛
多くの方がご存じだとは思いますが、パーマやカラーリングというのは髪の毛に強くダメージを与えます。
とは言っても「パーマやカラーリングをしたからハゲる」なんてことはありません。
しかし、ダメージを負った毛に強い力が加わると簡単に切れてしまうので、髪を雑に扱っていると薄毛になってしまう恐れがあります。
カラーリングやパーマなどで髪の毛にダメージを与えている方は、髪の毛のケアをより丁寧に行いましょう。
まとめ
薄毛や抜け毛に種類があることは理解してもらえたと思います。
しかし楽観して適当な対処をしていると悪化する場合があるので、原因がはっきりしない場合は医師の診断を受けて正しい治療を行いましょう。
男性の場合は発毛剤の使用と自毛植毛が一番の対処法です。
また、それ以前に規則正しい生活を送り、体に余計な負担をかけないことが大切です。
迷ったり不安に思ったら医師に相談する。
これらを守るようにしましょう。