発毛剤
2017.10.17更新
フィナステリド錠ってどんな薬?AGA治療薬のフィナステリド錠を徹底解説
このページではAGA治療薬の「フィナステリド錠」についてまとめました。
目次
フィナステリド錠とは?
フィナステリド錠は「フィナステリド」という成分を有効成分として含んだAGA治療薬の総称です。
日本で一番最初に作られたフィナステリド上のプロペシアや、そのジェネリック医薬品のことをまとめて「フィナステリド錠」と呼んでいます。
海外製のものを含まれば多くのフィナステリド錠が全世界で流通していますが、現在の日本で認可されているフィナステリド錠は以下の8種類です。
- 「プロペシア」(MSD)
- 「TCK」(辰巳化学株式会社)
- 「武田テバ」(武田テバファーマ株式会社)
- 「ファイザー」(ファイザー株式会社)
- 「トーワ」(東和薬品株式会社)
- 「サワイ」(沢井製薬株式会社)
- 「クラシエ」(大興製薬株式会社)
- 「SN」(シオノケミカル株式会社)
※すべて「薬品名」(製造販売元)の順で記載しています。
ジェネリック医薬品については「プロペシアのジェネリック医薬品総まとめ」で詳しく解説しているのでこちらの記事を参照してください。
フィナステリド錠の有効成分と効果
フィナステリド錠はその名のとおり、有効成分として「フィナステリド」が配合されています。
この成分にはAGAの原因のひとつである「5α-リダクターゼ」のはたらきを阻害する効果があります。
詳しくは「AGAを徹底解説」の記事で説明していますが、簡単にAGAが起こるメカニズムを説明すると、次のような三段階からなります。
- 5-αリダクターゼが「DHT」という男性ホルモンを作り出す。
- 「男性ホルモン受容体」という物質がDHTと組み合わさると抜け毛を引き起こす「脱毛因子」を作り出す。
- 脱毛因子が毛根に働きかけ、成長途中の毛を抜けさせてしまう。
フィナステリドはAGAに必要不可欠なDHTの生成を阻害することによって、脱毛成分が作られないようにするという成分なのです。
AGAが起こる3つの段階はドミノ倒しのように連鎖する仕組みになっています。
つまり、この中のひとつでも起こらなければAGAによる抜け毛は発生しないというわけです。
フィナステリドの詳細な効果については「フィナステリドを徹底解説!」でも解説しているため、より詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
フィナステリド錠の効果が出るまでの期間は?
詳しくは「プロペシアの効果が出るまでの期間」の記事で解説していますが、日本で一番最初に開発・販売されたフィナステリド錠であるプロペシアでは、1年間の使用で約半分のひとが改善したという結果が出ています。
クリニックの医師によれば3ヶ月や6ヶ月で効果が出る人もいるにはいるそうですが、個人差によるところが大きいので断言できないとのことでした。
私の経験では「最低でも1年は治療すべき」という医師が多かったので、やはり1年が効果発現までのひとつの基準なのかなと思います。
フィナステリド錠の副作用と初期脱毛
効果が強い薬とは切っても切れない関係にあるのが「副作用」です。
望んだ効果だけが出てくる薬などという都合の良い者はこの世に存在せず、それはフィナステリド錠も例外ではありません。
最初の1~2ヶ月は初期脱毛で毛が抜ける
フィナステリド錠を飲み始めると最初の1~2ヶ月あたりは大量に抜け毛が発生します。
これは初期脱毛といってもっと後に抜けるはずだった毛が前倒しで一気に抜けてしまう現象です。
本来は成長が止まった毛は毛穴に刺さったまま自然と抜け落ちるのを待っています。
しかし、フィナステリド錠を使うと新しく毛が作り出されるのが早まるため、新しく作られた毛が古い毛を押し出してしまいます。
そのため、本来は2ヶ月ほどかけて抜けるはずだった毛が一気に抜け落ちてしまうのです。
初期脱毛は副作用と言えば副作用ですが、薬の効果が現れてきた証拠でもあり、必ず収まるものなので気にする必要はありません。
初期脱毛については「初期脱毛が起こる原因とその期間」で解説していますので、より詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
性欲減衰、勃起不全などの「性機能低下」
フィナステリド錠の臨床試験では性欲減衰や勃起不全といった性機能の低下がわずかながら見られました。
48週間の二重盲検比較試験において、安全性評価対象276例中11例(4.0%)に14件の副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められた。主な症状はリビドー減退3例(1.1%)、勃起機能不全2例(0.7%)等であった。
これはフィナステリド錠がもともと「前立腺肥大症」という病気の治療薬として開発されたために起こった副作用だと考えられます。
前立腺肥大症は男性ホルモンによって起こる病気なので、治療のためには男性ホルモンを減少させる必要があります。その男性ホルモン減少効果によって性機能が低下してしまうのです。
ただ、データでも出ているように副作用の発現率は合計しても1.8%とかなり低く、必ず起こるような症状ではありません。
肝臓の機能に異常が出る「肝機能障害」
臨床試験時には確認されていませんでしたが、その後の使用試験において2例だけ肝機能障害の副作用が確認されています。
943例中5例(0.5%)に5件の副作用が認められた。主な症状はリビドー減退2例(0.2%)、肝機能障害2例(0.2%)等であった。
肝機能障害が起こってしまう原因はフィナステリド錠の分解が肝臓で行われているためだと考えられています。
肝臓の機能がもともと弱い人などはフィナステリド錠を分解することが肝臓の負担となってしまうのです。
肝機能障害の発症例は0.2%と極めて稀ですが、肝臓が弱い人は使うのを控えるか、医師との相談の上で服用するのが望ましいですね。
フィナステリド錠の入手方法
フィナステリド錠は、法律上は「医療用医薬品」という種類の薬でして、医師の処方箋がない人には売ってはいけないという決まりがあります。
そのため、ただ普通の薬局に行っても棚には並んでいませんし、どれだけ頼み込んでも購入することはできません。
もし購入したいのであれば、薄毛治療を専門としているクリニックにいって「あなたはAGAです」と診断してもらい、処方箋を書いてもらう必要があります。
まとめ
フィナステリド錠はAGA専用の治療薬の総称であり、特定のひとつを指す言葉ではありません。
プロペシアやファイザー、サワイなど様々な種類があり、海外のものも含めれば大量のフィナステリド錠があります。
フィナステリド錠の効果はAGAの原因となる物質を作らせないことで抜け毛を止めることです。
フィナステリド錠は医師の処方箋がなければ購入できない薬であるため、手に入れたいのであれば薄毛治療を専門としているクリニックに行く必要があります。