生活習慣 髪の毛の雑学
2017.06.26更新
貧血が抜け毛の原因になるって本当?鉄分と髪の毛の関係をわかりやすく解説
貧血になると毛が抜けると昔から言われ続けています。
実体験による声も多く信憑性は高そうですが、「何故?」「本当に?」と理解していないまま鉄分を摂取している人が多いようです。
まずは貧血と抜け毛の関係性について見ていきましょう。
鉄分が不足すると毛が抜ける!
鉄分は体の細胞が増殖したり、全身の細胞に酸素を供給するとても大切な栄養素です。
私達の中に流れている血液には酸素を運ぶ「赤血球」がいて、その赤血球の中に酸素を保持する鉄分があり、赤血球が全身の細胞に栄養や酸素を供給していきます。
わかり辛い方は、宅配便を思い浮かべてもらうとわかりやすいかもしれません。
まず、酸素という配達物を鉄分という箱に入れて、それを赤血球というトラックに積み込みます。
トラックは血管という道路を通って、受取人である細胞達に酸素を渡していくのです。
よく「血は鉄の味がする」といいますが、それは赤血球の中にある鉄分の味です。
鉄分が不足すると血液で運べる酸素が減るので、全身が酸素不足になってしまい貧血になります。
髪の毛を作る「毛母細胞」も血液から栄養や酸素を受け取って動いているわけで、その内の酸素が足りていなければ十分に働けません。
そのせいで毛が十分に育たなかったり、毛を維持するのが難しくなって抜けてしまう。これが貧血になると毛が抜ける仕組みです。
つまり、抜け毛の直接の原因は酸素不足で、似たような症状は不健康やストレスによる血管の縮小でも起こります。
鉄分は
- レバー
- 卵黄
- 魚介類
- 海藻類
などに多く含まれているので、貧血気味の方は積極的に摂取したいですね。
鉄分をとっても髪は生えない
ここで注意してほしいのが「鉄分を取っても髪の毛は生えない」ということです。
鉄分不足で起こる抜け毛はあくまで必要な量が取れていなかったから、というだけであって、鉄分自体に髪の毛を生やす効果はありません。
髪は足りなくて抜けることはあっても、余っているからといって増えることはないのです。
次の項目で詳しく説明しますが、栄養は取りすぎると体に悪影響をおよぼすことの方が多いです。
髪の毛を生やしたいのであれば、きちんと髪の毛が生える薬があるのでそちらを使用しましょう。
詳しくは「生やして治す薄毛治療薬!ミノキシジルの効果・副作用・値段を徹底解説!」をご覧ください。
鉄分のとりすぎに注意
鉄分は不足すると細胞の分裂や酸素の供給がうまくできなくなって抜け毛に繋がりますが、鉄分は取りすぎると体に悪影響をおよぼすので注意が必要です。
厚生労働省によると、鉄分の推奨量は
男性
- 18~29歳・・・7.0mg
- 30~49歳・・・7.5mg
耐容上限は
男性
- 18~29歳・・・50mg
- 30~49歳・・・55mg
となっています。
この耐容上限を超えると体に悪影響を及ぼす可能性があるので注意です。
しかし、この上限を食べ物で摂取するのはかなり難しく、日常生活においては過剰摂取の心配はありません。
例えば鉄分をかなり多く含んでいる豚のレバーは、1パック(100g)の物をすべて食べても13mgにしかならず、豚のレバーだけを300g食べても上限には届かないのです。
ただし、鉄分のサプリメントや鉄剤を大量に摂取するとあっさり超えてしまうので、サプリメントや鉄剤は必ず摂取量を守りましょう。
まとめ
鉄分は全身に酸素を送る手伝いをするので、不足することで頭皮に酸素が回らくなって毛母細胞が働けなくなることで抜け毛になります。
鉄分を大量に摂っても毛が生えないだけでなく、体に悪いので必ず摂取量を守りましょう。
栄養が不足して抜けてしまうことはあっても、栄養が余ったからといって頭は髪の毛を作ってくれません。
何事も適度に、バランスのよい食事をするのがベストです。