発毛剤
2017.10.20更新
デュタスの効果・副作用を解説!AGA治療の効果は強いけど副作用も……?
このページではAGA治療薬の有効成分「デュタス」について解説します。
目次
デュタスとは?
デュタスは『デュタステリド』を有効成分として配合したAGA治療『ザガーロ』のジェネリック医薬品です。。
といっても日本ではまだザガーロの特許が切れていないので、デュタスは海外で作られた日本未認可のジェネリック医薬品ということになります。
日本で認可されている発毛剤は「日本で認可されているAGA治療薬6選」の記事でまとめていますので、デュタス以外のデュタステリド薬の情報を知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
デュタスの効果
AGAの原因のひとつとなっているのが『DHT』という男性ホルモンです。
詳しくは「AGAを徹底解説」の記事で説明してますが、AGAが起こるメカニズムは簡単に説明すると次のようになっています。
- 5-αリダクターゼが「DHT」という男性ホルモンを作り出す。
- 「男性ホルモン受容体」という物質がDHTと組み合わさると抜け毛を引き起こす「脱毛因子」を作り出す。
- 脱毛因子が毛根に働きかけ、成長途中の毛を抜けさせてしまう。
デュタスに含まれている『デュタステリド』には上記の3つの原因のうち、1番目に関わっている5α-リダクターゼのはたらきを阻害してDHTを作らせないようにする効果があります。
DHTがなければ男性ホルモン受容体が脱毛因子を作ることはありませんから、AGAによる抜け毛を止めることができるというわけです。
フィナステリドとの効果の違い
デュタステリドと同じくDHTの生成を阻害してAGAを治療している成分に『フィナステリド』があります。フィナステリドはプロペシアやファイザーといった薬に配合されている成分です。
どちらも「5α-リダクターゼを阻害する」という点では同じなのですが、デュタステリドとフィナステリドには「阻害できる5α-リダクターゼの数が違う」という違いがあります。
実は5α-リダクターゼにはI型と呼ばれるものとII型と呼ばれるものの2種類があり、フィナステリドはこのふたつのうちのII型しか阻害することができません。
一方でデュタスはI型とII型のふたつを阻害することができます。
要するに、デュタスのほうがフィナステリドよりも効果が強いのです。
フィナステリド錠が効かないときにデュタスを使う?
上ではデュタステリドよりもフィナステリドのほうが効果が強いと言いましたが、実は多くのAGA患者はII型の5α-リダクターゼだけがAGAの原因となっていると考えられています。
I型の5α-リダクターゼがAGAに関わっている人もいるにはいるのですが、II型のみが関わっている人に比べると少数であるため、副作用が出にくいフィナステリドを使った治療が一般的なのです。
またフィナステリドとデュタステリドは作用機序(効果のメカニズム)が「5α-リダクターゼの阻害」という点で一致しているため、両方とも服用することはまずありません。
フィナステリド錠とデュタスのどちらかを選択して使用する場合が多いです。
フィナステリドでも十分な効果が得られることと副作用の出にくさから、デュタステリドはフィナステリドが効かなかった場合の次善の策として用いられることが多いのです。
デュタスの効果が出るまでの期間
デュタスは日本未認可の薬なので試験が行われていませんが、先発薬のザガーロでは通常6ヶ月の治療期間が必要であるというデータが出ています。
投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。
薬の効きやすさには個人差も大きく出てくるので3ヶ月で効果が出てくる人もいるようですが、一般的には6ヶ月使うべきというのが医学的なスタンスのようです。
クリニックによっては「1年かかる」と言われることもありますので、このあたりは「すぐに治ることはない」くらいに考えておくのが良さそうです。
デュタスの副作用
デュタスには「AGAによる抜け毛が止まる」という効果以外にもいくつかの副作用があります。
これは決してデュタスが欠陥品だからではありません。
デュタスは5α-リダクターゼにはたらきかけてDHTを作らせないようにする薬なわけですが、そもそもDHTは男性を薄毛にするためだけに生まれてきた悪い物質ではありません。
薬で身体のはたらきを変えたことによって不具合が出てきてしまうのはある意味しかたのないことなのです。
以下ではどういった副作用が出てきてしまうのかを見ていきます。
最初の1~2ヶ月は初期脱毛で毛が抜ける
デュタスを飲み始めると最初の1~2ヶ月あたりは大量に抜け毛が発生します。
これは初期脱毛といってもっと後に抜けるはずだった毛が前倒しで一気に抜けてしまう現象です。
本来は成長が止まった毛は毛穴に刺さったまま自然と抜け落ちるのを待っています。
しかし、デュタスを使うと新しく毛が作り出されるのが早まるため、新しく作られた毛が古い毛を押し出してしまいます。
そのため、本来は2ヶ月ほどかけて抜けるはずだった毛が一気に抜け落ちてしまうのです。
初期脱毛は副作用と言えば副作用ですが、薬の効果が現れてきた証拠でもあり、必ず収まるものなので気にする必要はありません。
初期脱毛はデュタスに限らず、発毛剤が効果を発揮すると起こってしまう現象なので、副作用というよりは「治療の必要経費」と考えるのがいいかもしれません。
性機能低下
デュタスの先発薬であるザガーロの国内試験では120人中20人に副作用が発生し、そのうち13人に勃起不全が確認されました。
国内の試験では 国内長期投与試験において、本剤が投与された総症例120例中20例(16.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、勃起不全13例(10.8%)、リビドー減退10例(8.3%)、射精障害5例(4.2%)であった(承認時)。
これはデュタステリドが男性ホルモンであるDHTの生成を抑えるために起こる副作用だと考えられます。
男性ホルモンは性機能とも大きく関わりがあるため、男性ホルモンが減ってしまうといつもより性欲が少なくなったり、勃起しづらくなってしまう可能性があるのです。
ただ、男性の身体はDHT以外にも様々な男性ホルモンを分泌しているため、単にDHTの生成を抑えたからといって確実に性機能が低下するわけではありません。
DHT以外の男性ホルモンが正常にはたらいていれば問題が怒らないケースが多いため、データでも勃起不全が10.8%、リビドー(性欲)減退が8.3%となっています。
乳房の異常
デュタスには発現率1%以上の副作用として乳房の痛みや違和感も確認されています。
また、更に稀ですが、乳房の異常には女性化(膨らむ)というものもあるようです。
生殖系及び乳房障害
1%以上
勃起不全、乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)
肝機能障害
ザガーロでは頻度不明(確認はされていないが報告はある)の副作用ですが、ザガーロと同じデュタステリドカプセルであるアボルブには1.5%の発現率で肝機能障害の副作用が確認されています。
重大な副作用
肝機能障害(1.5%)、黄疸(頻度不明注1))
AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
これはデュタステリドの分解を肝臓で行っているためだと考えられます。
成分の分解を肝臓で行なう際に肝臓に負担がかかるのですが、もともと肝臓の機能に障害を抱えている人だと肝臓への負担が大きくなってしまうことがあるのです。
肝臓が弱い人は絶対にデュタステリドを飲んではいけないわけではないのですが、肝臓が健康な人に比べると副作用が出やすくなってしまう危険性があるため、処方の際には要注意ということになっています。
女性が飲むと赤ちゃんに悪影響が出る恐れが
妊娠中の女性がデュタステリドを飲んだり、カプセル内部の粉末に触れてしまうと胎児の発育に影響が出てしまうおそれがあります。
これはAGA患者にとっては脱毛因子の素材であるDHTも、赤ちゃんにとっては生殖器の発育に欠かせない男性ホルモンだからです。
そのため、デュタステリドを飲む男性は薬が女性の口に入ったり、手に触れたりしないように管理を徹底する必要があります。
プロペシアとの副作用の違い
プロペシアとデュタスの副作用の違いは大きく分けてふたつあります。
乳房の異常が起こる可能性がある
まずプロペシアには見られなかった乳房の異常が見られるのがデュタスとフィナステリドの大きな違いです。
乳房の痛みや違和感といった副作用はデュタスにだけ確認されている副作用です。
発現率がさほど高くないとは言え、1.5%の発現率で確認されている副作用ですから、使うべき薬を判断する上では重要な要素となってくるでしょう。
デュタスの方が副作用が出やすい
デュタスの方が副作用の発現率が高いことも見過ごせない特徴です。
プロペシアの副作用発現率は4.0%なのに対し、デュタスの先発薬であるザガーロは16.7%と4倍近い発現率です。
薄毛治療の効果がプロペシアよりも高いため、副作用の発現率もプロペシアより高くなってしまっているのです。
副作用のリスクを少なくしたい人にとってはデュタスは向いていない薬と言えるかもしれません。
デュタスの副作用は完全に自己責任!?
デュタスは日本未認可の海外で作られた薬であるため、もしデュタスを飲んでどれだけ重い副作用が出ても国は一切保証してくれません。
日本では海外の薬を個人的に購入して使用することを法律で禁止してはいないのですが、もし何か起こったとしてもそれはすべて自分の責任だよというスタンスなのです。
当然、起こった副作用の治療に国からの補償はありませんし、保険も効きませんから治療費は自己負担です。
そのため、副作用が不安な人や副作用が起こったときに医者にかかりたい人は海外の薬であるデュタスではなく、国内で認可されているザガーロやアボルブを飲むことをオススメします。
まとめ
デュタスはデュタステリドを有効成分としたAGA治療薬『ザガーロ』の海外製ジェネリック医薬品です。
海外製の薬は日本では未認可であるため、デュタスの購入や副作用でなんらかの問題が起こっても国は一切保証してくれないというデメリットを抱えています。不安な方は薄毛治療のクリニックで、国に認可されているデュタステリドカプセルを処方してもらってください。
効果のメカニズムはAGA治療薬のプロペシアと同じく「5α-リダクターゼの阻害による抜け毛の進行阻止」ですが、プロペシアよりもデュタスのほうが効果が高いという特徴があります。
ただしその分副作用の発現率も上がっているので、多少のリスクが増えても強い効果の薬を使いたい人向けの治療薬と言えるでしょう。