
発毛剤
2017.10.14更新
AGAはフィナステリドで治るの?効果と副作用を徹底解説
このページではフィナステリドでAGAが治る理由を解説します。
フィナステリドそのものについて詳しく知りたい方は「フィナステリドを徹底解説」の記事をご覧ください。
目次
1分でわかる!フィナステリドとAGAの関係
AGAは「男性ホルモン受容体」という身体のシステムが髪の毛の成長を阻害する因子(脱毛因子)を作ることによって起こっている。
男性ホルモン受容体が脱毛因子を作るためには「DHT」という男性ホルモンが必要不可欠であり、そのDHTは「5α-リダクターゼ」という酵素によって作られている。
フィナステリドは5α-リダクターゼのはたらきを阻害する効果を持っていて、DHTを作らせないようにすることができる。
すると、男性ホルモン受容体は脱毛因子を作ることができなくなり、結果としてAGAによる脱毛が起こらなくなる。
つまり、フィナステリドは抜け毛を引き起こす物質の材料をなくしてしまうことによって抜け毛が起こらなくなるようにしている物質なのである。
ただし、あくまで抜け毛が起きなくなるだけで毛の成長は本人の毛根次第なため、AGAの期間が長く毛根がはたらきづらくなっている人だと回復が非常に緩やかなものとなってしまうケースが多い。
AGA治療薬『フィナステリド』とは?

フィナステリドとは、AGA治療薬である『プロペシア』に配合された有効成分です。
もともとは前立腺肥大症という男性ホルモンの病気を治すための成分として開発されていたのですが、研究中にAGAの治療効果も見つかったためにAGA治療薬として使われるようになりました。
現在ではプロペシアの特許が切れているため、プロペシアだけでなく『ファイザー』や『サワイ』といったジェネリック医薬品が国内で作られているほか、インドなどの外国でも『フィンペシア』などのジェネリック医薬品が作られています。
詳しくは「フィナステリドを徹底解説」のページでも解説しているので、こちらも参考にしてください。
フィナステリドの効果〜なぜフィナステリドでAGAが治るのか?〜

フィナステリドがなぜAGAを治療できるのかという秘密はAGAのメカニズムと深く関係していますので、まずはAGAの仕組みについて解説しましょう。
比較的簡単な説明になりますので、できるだけ詳しく知りたいという方は「AGAとは?」の記事も合わせて参考にしてください。
AGAによる抜け毛のメカニズム
AGAによって薄毛になってしまうのは、髪の毛の成長を阻害する因子(脱毛因子)が作られて成長途中の髪の毛を抜けさせてしまうためです。
脱毛因子があると髪の毛は十分に成長する前に抜けてしまうので、最終的には「生える→産毛の段階で抜ける→生える→産毛の段階で抜ける→生える→産毛の段階で抜ける...」というループを繰り返し、見えないレベルで成長と脱毛を繰り返すようになってしまうのです。
AGAの原因となっている脱毛因子は「男性ホルモン受容体」という身体のシステムが「DHT」という男性ホルモンの一種と組み合わさることで分泌しています。
たとえるならDHTを原材料として男性ホルモン受容体で作られているのが脱毛因子という商品という感じですね。
そして、原材料となっているDHTは「5α-リダクターゼ」という酵素によって作られています。
AGAは3段階で成り立っている
ここまでの説明を簡潔にまとめると、AGAが次の3段階からなっていることがわかります。
- 「5α-リダクターゼ」という酵素が「DHT」という男性ホルモンを作り出す。
- 「男性ホルモン受容体」という身体のシステムがDHTと組み合わさることで「脱毛因子」を作り出す。
- 脱毛因子が毛根に働きかけ、毛が十分に成長する前に抜けさせてしまう。
このように、5α-リダクターゼがDHTを作り出したことを皮切りに、連鎖反応のように悪いことが起こっていって「薄毛」という結果を導き出しているわけですね。
どれかひとつを止めればAGAそのものが止まる
AGAは上記のドミノ倒しのような連鎖で髪の毛が抜けてしまっているわけですが、連鎖であるがゆえに治療の仕組みはとても簡単です。
AGAは相互作用によって薄毛を引き起こしています。主に「脱毛因子」、「男性ホルモン受容体」、「DHT」、「5α-リダクターゼ」という4種類の物質によって成り立っているわけですが、これらすべてを薬で対策する必要はなく、どこかひとつだけでもドミノを止めることができれば、ゴール地点である「薄毛」は起こらないということになるからです。
フィナステリドはDHTの生成を阻害する

フィナステリドは5α-リダクターゼを阻害することでDHTの生産を阻害するという効果を持っています。
。上記のAGA発生メカニズムの3段階で言えば1段階目を止めることができるわけですね。
フィナステリドができるのは1段階目を止めることだけなので男性ホルモン受容体や脱毛因子に対しては直接的に何かをすることはありません。
ですが、DHTが作られなければ男性ホルモン受容体が脱毛を促す因子を作ることもなく、脱毛因子がなければ毛が抜けることもありません。
ですから、フィナステリドを使うとAGAで薄毛を起こしている脱毛因子が作られなくなって薄毛が改善されるのです。
AGA以外の薄毛にフィナステリドは効かない!
上で説明したように、フィナステリドは「AGAの原因となっているDHTを作らせない」という方法で抜け毛を止めています。
ですので、DHTとは無関係の脱毛症に関してはフィナステリドに抜け毛を止める効果がありません。たとえば免疫機能の異常で起こる『円形脱毛症』や、頭皮の過度な炎症である『脂漏性皮膚炎』が原因で起こる抜け毛などがそれにあたります。
これらの脱毛症はAGAとは別のメカニズムで抜け毛が起こっているのでフィナステリドでは治療ができないのです。
基本的にはフィナステリドはAGA専用の治療薬と考えておいてください。
維持したいならフィナステリドのみ。生やしたいなら+ミノキシジル

フィナステリドは「抜け毛を止める薬」なので直接的に毛を生やす効果は持っていません。
あくまで正常に毛が生える土壌を整えているだけなので、そこから毛が生えてくるかどうかは本人の毛根次第となります。
フィナステリドだけでは毛がまったく生えてこないというわけではないのですが、長い間AGAになっていた人の毛根は毛が生やせるようになるまで時間がかかることが多いのです。
そこで、抜け毛を止めるだけでなく毛を増やしたい人は「毛を生やす」効果を持った『ミノキシジル』を併用することで、より効果的な治療を行なうことをオススメします。
抜け毛を止める薬と毛を生やす薬の相乗効果によって毛が生えやすく、そして維持しやすくなるためです。
ミノキシジルとの併用については「フィナステリドとミノキシジルの併用を解説」の記事で解説しているので、詳しくはこちらを参考にしてください。
フィナステリド治療で起こりうる副作用
フィナステリドには「AGAによる抜け毛が止まる」という効果以外にもいくつかの副作用があります。
これは決してフィナステリドが欠陥品だからではありません。
薬で身体に影響を与えたことによって、自分が求めていた以外の効果も身体に出てきてしまうのです。
フィナステリドは5α-リダクターゼにはたらきかけてDHTを作らせないようにする薬なわけですが、別にDHTは男性を薄毛にするためだけに生まれてきた物質ではありません。
ですから、DHTを阻害したことによって別の部分で問題が出てきてしまうことがある。それが副作用なのです。
それではどういった副作用がフィナステリドで起こりうるのかを見ていきましょう。
性欲減衰、勃起不全などの「性機能低下」

フィナステリド配合の治療薬『プロペシア』の臨床試験では性欲減衰や勃起不全といった性機能の低下がわずかながら見られました。
48週間の二重盲検比較試験において、安全性評価対象276例中11例(4.0%)に14件の副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められた。主な症状はリビドー減退3例(1.1%)、勃起機能不全2例(0.7%)等であった。
また、臨床試験時は性欲減衰が1.1%、勃起不全が0.7%でしたが、臨床試験が終わって承認されたあとの使用試験ではさらに発現率が下がっています。
943例中5例(0.5%)に5件の副作用が認められた。主な症状はリビドー減退2例(0.2%)、肝機能障害2例(0.2%)等であった。
このときには性欲減衰が0.2%、勃起不全に至っては報告されていません。
このように、フィナステリドでは性欲が減衰したり、勃起不全が起こったりといった性機能の低下が副作用として起こりますが、その発現率はとても低いと言えます。
なぜ性機能の低下が起こるのか?
これはフィナステリドがもともと「前立腺肥大症」という病気の治療薬として開発された成分であるために起こった副作用だと考えられます。
前立腺肥大症は男性ホルモンによって起こる病気とされていて、治療のためには男性ホルモンのはたらきを弱める必要があります。
このときに起こる男性ホルモンの抑制効果によって男性の性機能が低下してしまうのです。
ただ、データでも出ているように実際の副作用発現率はもっとも高い臨床試験時のものを合計しても1.8%と比較的低いです。
これは薄毛治療に使われるフィナステリドは前立腺肥大症に使われるものよりも濃度が低く、男性ホルモンを抑える効果も小さくなっているからです。
肝臓の機能に異常が出る「肝機能障害」

臨床試験時には確認されていませんでしたが、その後の使用試験において2例だけ肝機能障害の副作用が確認されています。
943例中5例(0.5%)に5件の副作用が認められた。主な症状はリビドー減退2例(0.2%)、肝機能障害2例(0.2%)等であった。
記録によれば、どの程度の症状かは不明ですが、943人中2人に肝機能障害が起こったようです。
なぜ肝機能障害が起こるのか?
肝機能障害が起こってしまう原因はフィナステリドの分解が肝臓で行われているためだと考えられています。
健康的な人であれば大丈夫なのですが、肝臓の機能が弱い人はフィナステリドを分解することが肝臓の負担となってしまうのです。
肝機能障害の発症例が0.2%と極めて稀なのも、おそらくは健康的な肝臓を持つ人には問題がないためだと考えられます。
ともかく肝臓が弱い人はフィナステリドの使用がリスクとなってしまうのは事実ですので、使うのを控えるか、医師との相談の上で服用するのが望ましいですね。
フィナステリドの入手方法

フィナステリドを配合した薬は『医療用医薬品』といって、医師の処方箋がなければ手に入らない種類の薬となっています。
ですので、フィナステリドの薬を手に入れたい場合は薄毛治療を行っているクリニックに行く必要があります。
もしフィナステリドが効かなかったら?
フィナステリドは万能薬ではないので期待している効果が出てこない場合もありますが、その多くはだいたい以下の3つのどれかに当てはまると思います。
- 服用期間が短すぎる。
- 劇的な発毛効果を期待している。
- 生まれつきプロペシアに耐性がある。
→フィナステリドは1ヶ月や2ヶ月で効果が出る薬ではない。
→フィナステリドだけだとそこまで生えない可能性がある。
→稀にプロペシアが効かない体質の人もいる。
上ふたつはともかくとして、生まれつき耐性を持っている場合はどれだけフィナステリドを飲んでも効果が出にくいですから、もし「効果がないな」と感じたら医師と相談して治療方法を変えるなどの対策を取るべきでしょう。
詳しくは「フィナステリドが効かない3つのワケ」という記事でも解説していますので、もし「フィナステリドで治療をしているのにまったく効果がない」という場合はこちらの記事を参考にしてください。
またフィナステリド以外の発毛剤が知りたい方は「AGA治療に効果のある発毛剤6選」の記事でまとめていますのでこちらも参考にしてみてください。
まとめ
AGAは「脱毛因子」、「男性ホルモン受容体」、「DHT」、「5α-リダクターゼ」という4つの要素が連鎖反応を起こすことで薄毛を引き起こしています。
これはいずれかひとつでも欠けるとAGAによる薄毛までたどり着けないため、すべての要素が揃っている必要があります。
フィナステリドはこの必須要素のうち「DHT」を欠けさせることができるため、AGAを治すことができるのです。
ただしフィナステリドは抜け毛を止めているだけなので直接的に毛を生やしているわけではなかったり、男性ホルモンを減らしているがゆえに副作用が起こる可能性があったりとAGA治療の万能薬ではない点には注意してください。
また、フィナステリドは市販されていないので、フィナステリドで薄毛を治療したい場合はAGA治療を行っているクリニックを受診する必要があります。