発毛剤
2017.10.11更新
フィンペシアとプロペシアってどっちが良い?2つの薬の違いを徹底解説!
このページではAGA治療薬の「プロペシア」と「フィンペシア」の違いについて解説します。
プロペシア・フィンペシアの効果や副作用といった基本的な情報について知りたい方は「プロペシア・フィンペシアの成分「フィナステリド」を徹底解説」の記事をご覧ください。
目次
プロペシアとフィンペシアはAGA治療薬としてはまったく同じ薬!
まず最初にお話ししておきたいのが、プロペシアとフィンペシアは薬として根本的な部分はまったく同じだということです。
プロペシアはAGAの原因を阻害する成分「フィナステリド」が配合されたAGA治療薬なのですが、フィンペシアはそのプロペシアの成分をコピーして作られたジェネリック医薬品といえるもの(厳密にはジェネリックではありませんが)なのです。
薬としては同一なので、たとえば「プロペシアとフィンペシアはどっちの方が効きますか?」みたいな質問はあまり意味がありません。どちらも同じです。
ただし、薬の成分以外では違う部分が多くあります。
まずはプロペシアとフィンペシアの同じ部分、違う部分を見ていきましょう。
プロペシアとフィンペシアで違う部分
プロペシアとフィンペシアは何が違うのか。
それは以下の3点です。
- 日本の認可を受けているか
- 入手方法
- 値段
違う部分1.日本で認可されているかされていないかが違う
「薬」としてこの国で正式に扱われるためには厚生労働省に「これは医薬品である」と認めてもらう必要があります。
逆に言えば、厚生労働省から認められていないものはどれだけ画期的で効果のあるものだろうと薬としては認められないわけです。
プロペシアは日本を含む多くの国で認可されており、薄毛治療のスタンダードな治療薬として使用されています。
一方でフィンペシアはインドの製薬会社が作ったジェネリック医薬品で、日本では認可されていません。
この違いが何を生むかと言うと、保証の違いです。
クリニックで処方してもらったプロペシアは医師と相談しながら使えます。それに万が一重篤な副作用が出てもその治療は保険が適用されますし、「医薬品副作用被害救済制度」という国からの保証もあります。
しかし、日本で認可されていないフィンペシアはたとえどれだけ重い副作用が出ても自己責任ですし、仮に偽物や粗悪品だったとしても誰も救ってはくれません。
国から認可を受けていないということは安心・安全面でリスクを抱えた薬ということなのです。
違う部分2.入手方法が違う
上記のように、フィンペシアは日本では未認可の薬なので、日本で買うことはできません。フィンペシアを認可しているどこかの国で買うしかありません。
つまり、フィンペシアは海外で直接買い付けるか、あるいは個人的に海外から輸入する「個人輸入」以外の方法では手に入らないのです。
プロペシアなら日本で正式に流通しているので、一般的な皮膚科や薄毛治療専門のクリニックで処方してもらうことができます。
海外でしか買えないフィンペシアよりも病院で処方してもらえるプロペシアの方が手に入れやすいわけです。
海外から個人的に薬を輸入する「個人輸入」について詳しく知りたい方は「個人輸入を徹底解説」をご覧ください。
違う部分3.値段が違う
プロペシアは先発医薬品なのでゼロから開発された薬です。
「どういう成分にどのような効果があるのか」「どれくらいの量なら人体に有害とならないのか」「人間が飲んでも大丈夫なのか」そういった研究・実験に多大なコストがかかっています。
それらにかかった費用がプロペシアの値段に上乗せされているわけです。
その点、ジェネリック医薬品はそういった研究をしていないのでお金がかかっていません。
既に最適な成分の配合方法はプロペシアの会社が導き出してくれていますから、フィンペシアの会社はただその方法で薬を作ればいいだけなのです。
ですから、ジェネリック医薬品は研究コストがかかっていない分だけ薬の価格が安くなっています。
具体的にプロペシアとフィンペシアの値段を比べると、プロペシアを病院で処方してもらうと1ヶ月分で8,000円ほどかかるのに対して、フィンペシアを個人輸入すると1ヶ月で2,000円ほどです。
つまり、フィンペシアはプロペシアの半分以下で買えるのです。
プロペシアとフィンペシアの同じ部分
プロペシアとフィンペシアは同じ成分を配合した薬なので、以下の4点が同じです。
- 飲み方
- 効果
- 副作用
- 注意点
同じ部分1.フィンペシアとプロペシアの飲み方
フィンペシアとプロペシアは1日1回、1錠を飲んでください。
食前に飲んでも食後に飲んでも良いですが、24時間周期でなければいけません。
なので、例えば日付が変わったから8時間しか経過してないけど2錠目を飲むとか、昨日飲み忘れたからまとめて2錠飲むといったことはNGです。
飲み方を間違えると、効果が薄くなったり副作用のリスクが高くなってしまいます。
フィンペシアとプロペシアは用法・用量を守って正しく飲みましょう。
同じ部分2.フィンペシアとプロペシアの有効成分と効果
フィンペシアに配合されている有効成分は「フィナステリド」という成分です。
この成分にはAGAの原因のひとつである「5α-リダクターゼ」の働きを阻害する効果があります。
「AGA(エージーエー)とは?男性型脱毛症・壮年性脱毛症の原因と治し方!」の記事でも説明しているように、AGAが起こるメカニズムは次の三段階からなります。
- 5-αリダクターゼが「DHT」という男性ホルモンを作り出す。
- 生まれつき「男性ホルモン受容体」と呼ばれるものが遺伝していると、その受容体がDHTを脱毛を促す因子に変えてしまう。
- 脱毛を促す因子が毛根に働きかけ、毛が十分に成長する前に抜けさせてしまう。
この3段階はドミノ倒しのように連鎖する仕組みになっていて、この中のひとつでも起こらなければ男性型脱毛症は起こらないようになっています。
フィナステリドはこのうちの1番を阻害することによって、続く2番3番も起こらないようにするという成分なのです。
フィナステリドの詳細な効果については「フィナステリドを徹底解説!」で解説しているため、より詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
同じ部分3.フィンペシアとプロペシアの副作用
効果が強い薬とは切っても切れない関係にあるのが「副作用」です。
望んだ効果だけが出てくる薬などという都合の良い者はこの世に存在せず、それはフィンペシアも例外ではありません。
最初の1~2ヶ月は初期脱毛で毛が抜ける
厳密に言うと副作用とは違いますが、フィンペシアやプロペシアを飲み始めた最初の1~2ヶ月あたりに抜け毛が増えることがあります。
これは初期脱毛といってもっと後に抜けるはずだった毛が前倒しで一気に抜けてしまう現象です。
本来は成長が止まった毛は毛穴に刺さったまま自然と抜け落ちるのを待っているのですが、フィンペシアやプロペシアを使うと新しく毛が作り出されるのが早まるため、新しく作られた毛が古い毛を押し出してしまいます。
そのため、本来は2ヶ月ほどかけて抜けるはずだった毛が一気に抜け落ちてしまうのです。
初期脱毛は副作用と言えば副作用ですが、薬の効果が現れてきた証拠でもあり、必ず収まるものなので気にする必要はありません。
初期脱毛については「初期脱毛が起こる原因とその期間」で解説していますので、より詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
性欲減衰、勃起不全などの「性機能低下」
フィンペシアのコピー元であるプロペシアの臨床試験では性欲減衰や勃起不全といった性機能の低下がわずかながら見られました。
48週間の二重盲検比較試験において、安全性評価対象276例中11例(4.0%)に14件の副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められた。主な症状はリビドー減退3例(1.1%)、勃起機能不全2例(0.7%)等であった。
これはプロペシアがもともと「前立腺肥大症」という病気の治療薬として開発されたために起こった副作用だと考えられます。
前立腺肥大症は男性ホルモンによって起こる病気なので、治療のためには男性ホルモンを減少させる必要があります。その男性ホルモン減少効果によって性機能が低下してしまうのです。
ただ、データでも出ているように副作用の発現率は合計しても1.8%とかなり低いです。
ほとんど起こらないといってもいいくらいの割合なので、深く気にする必要はないでしょう。
肝臓の機能に異常が出る「肝機能障害」
臨床試験時には確認されていませんでしたが、その後の使用試験において2例だけ肝機能障害の副作用が確認されています。
943例中5例(0.5%)に5件の副作用が認められた。主な症状はリビドー減退2例(0.2%)、肝機能障害2例(0.2%)等であった。
肝機能障害が起こってしまう原因はフィンペシアの分解が肝臓で行われているためだと考えられています。
肝臓の機能がもともと弱い人などはフィンペシアを分解することが肝臓の負担となってしまうのです。
肝機能障害の発症例は0.2%と極めて稀ですが、肝臓が弱い人は使うのを控えるか、医師との相談の上で服用するのが望ましいですね。
同じ部分4.服用上の注意点
フィンペシアやプロペシアを使っていく上で注意しなければいけないのは次の4点です。
- 女性や円形脱毛症の患者は飲んではいけない
- 服用中は献血をしてはいけない
- 単体では現状維持程度の効果しかない
- 服用を中止すると再び男性型脱毛症が進行する
女性や円形脱毛症の患者はフィンペシアやプロペシアを使えない
フィンペシアは「男性型脱毛症」、AGAにしか効果がありません。
先ほど説明したように、AGAの原因を取り除くのがフィンペシアの効果ですから、原因が異なる女性の薄毛や円形脱毛症に対しては何の意味もないのです。
特に妊娠している女性、授乳中の女性は絶対にフィンペシアを服用しないでください。妊娠中の女性がフィンペシアを服用すると、胎児に影響を及ぼすおそれがあります。
フィンペシアやプロペシアの服用中は献血ができない
上で説明したように、フィンペシアが妊娠中の女性の体内に入ると胎児に悪影響が出てくるおそれがあります。
これはフィンペシアを直接飲むだけでなく、フィンペシアを服用している男性の血液が妊娠中の女性の体内に入っても危ないため、それを防ぐためです。
なお、献血可能になるのはフィンペシアの服用を止めてから1年後とされています。
これは体内からフィンペシアがなくなるのに1年の期間を要するからです。
フィンペシア・プロペシア単体では現状維持程度の効果しかない
詳しくは「フィナステリド錠ってどんな薬?AGA治療薬のフィナステリド錠を徹底解説」で説明していますが、フィンペシアとプロペシアの効果は「AGAの進行を抑える」というものです。
なので、多くの方が期待しているような「フサフサになる」という効果はあまり期待できません。
「髪の毛を生やしたい」という目的を持っている方はミノキシジルの併用が必要になります。
ミノキシジルについて詳しく知りたい方は「ミノキシジルとは?効果や副作用、購入方法を徹底解説」をご覧ください。
フィンペシア・プロペシアをやめると再び症状が進行する
フィンペシアとプロペシアは「AGAの進行を抑える」という効果を持っているのは何度も説明したとおりですが、この効果が得られるのは飲み続けている間だけです。
「薄毛が治ってきたからもういいや」と飲むのを途中でやめてしまうと、効果がなくなってAGAが再び進行してしまうのです。
フィンペシアやプロペシアを服用する際は「薄毛を改善したいあいだは飲み続ける必要がある」ということを覚えておきましょう。
プロペシアとフィンペシアはどっちを選ぶべきなの?
プロペシアとフィンペシアの同じ点と違う点を知った上でどちらを選ぶべきなのでしょうか。
これは私の考えなのですが、「どっちを選んでも良い」と思っています。
正確に言えば、まずクリニックで処方されるプロペシアを使ってから個人輸入でフィンペシアを選んでもいいと考えています。
フィンペシアのメリットはプロペシアの半分以下の価格で手に入ることですが、医者に相談できないという大きなデメリットが存在します。
正直なところ、よく言われている偽物や粗悪品を掴まされたり、重大な副作用を起こす可能性はかなり低いので、そのリスクはあまり考えなくてもいいと思います。
偽物については信頼できるショップをしっかり探せばいいですし、副作用に関してはそもそもプロペシアは軽い副作用ですら0.4%の人にしか起こらなかったからです。
ですが、薬を飲んでいて「これって副作用かな?」「これって効いてるのかな?」など医者に相談したくなることはいくらでもあります。
ちょっとした身体の不調が薬のせいなのかそれともたまたま薬を飲んだタイミングと重なったのかどうか、というようなちょっとした不安に答えてくれる人がいないのはすごく困ることなのです。
ですから、まずは薄毛治療を専門としているクリニックに行って、医師の処方の元でプロペシアを飲むことを強くおすすめします。
しかし、クリニックでの薄毛治療もずっと続けていると、あるとき「あれ?ここのところ病院に薬もらいに行ってるだけなんだけど」という気になるかもしれません。
自分にマッチした薬の分量がわかり、薄毛治療を続けることで自分の中にも知識がついてくるので途中から「医者に相談することがなくなった」という状況もあります。
こうなったら、もうフィンペシアに切り替えることを考えても良いかもしれません。
まずはプロペシアから治療をはじめて
- 慣れてきて安く治療したい方はフィンペシアに切り替える
- 「クリニックに行く安心感」が欲しい方はプロペシアのまま治療を続ける
という風に使い分けることをおすすめします。