AGA(エージーエー) 髪の毛の雑学
2017.06.10更新
側頭部やこめかみにできるハゲ・薄毛の原因と対策を解説!
このページでは側頭部に起こるハゲ・薄毛について解説します。
目次
局所的に脱毛が起こる円形脱毛症
側頭部にだけ脱毛が起こっている、こめかみにだけハゲができているという場合にまず考えられるのが円形脱毛症です。
円形脱毛症には「脱毛が局所的に起こる」という特徴があります。
要するに、他の場所では抜け毛や薄毛が起こらないのです。
なので、全体的な薄毛を伴わない局所的な側頭部のハゲは円形脱毛症の可能性が高いと言えるわけなのです。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症は身体の免疫機能が暴走し、毛母細胞(髪の毛を作っている細胞)を異物だと判断して攻撃してしまうことによって起こる脱毛症です。
医学的には「自己免疫不全」と呼ばれています。
免疫が髪の毛を成長させている細胞を攻撃して活動を止めてしまうので、髪の毛が成長しなくなってそのまま抜けてしまうんですね。
円形脱毛症の対策
円形脱毛症はハゲが1~2個程度であれば放っておいても自然治癒するケースが多いため、放っておくというのも対策のひとつではあります。
しかし、ハゲが複数個存在していたり、あるいはハゲている面積が極端に大きい場合は医学的な治療が必須です。
これは脱毛部分が増えたり頭部全体に広がってしまうといった症状の悪化が起こりうるためです。
円形脱毛症は免疫の暴走が原因であるため、治療では免疫の働きを抑える薬を使います。
びまん性脱毛症
びまん性脱毛症は髪の毛が全体的に抜けていって薄くなっていく脱毛症です。
男性特有の薄毛であるAGAとも似ていますが、AGAと違って生え際の後退や頭頂部が集中して薄くなることがなく、全体的に減っていくのが特徴です。
一般的には女性が老化したときや、女性ホルモンのバランスが乱れたときによく見られる脱毛症なので、女性特有の脱毛症に数えられることもあります。
びまん性脱毛症の原因
過度な食事制限ダイエットなどによる栄養失調
男性にびまん性脱毛症が起こる原因として考えられるのは過度な食事制限ダイエットや偏食による栄養失調です。
髪の毛は十分な栄養がなければ成長できません。
なので、栄養失調を起こして十分な栄養が確保できていないときは髪が成長できずに抜けてしまうことがあるんですね。
人体は摂取した栄養をまず心臓や肺などの生きるために欠かせない部位に重点的に渡し、その余りを生きるために必要不可欠ではない部位に渡すという仕組みをとっています。
このとき髪の毛はなくても死なないので当然、後者にあたります。人体が摂取した栄養が髪の毛に回ってくるのは最後の最後なのです。
ですから、食事制限ダイエットなどで栄養を減らしてしまうと「内臓には十分な栄養が行き渡ってるから健康だけど、髪の毛に渡す分までは残ってない」という事態が起こってしまうことがあるんですね。
昼夜逆転や夜更かしによる自律神経の乱れ
髪の毛の成長にも大きく関わっている成長ホルモンは「自律神経」という神経のはたらきによって分泌されています。
たとえるなら、自律神経の「成長しろ」と命令によって髪の毛の成長が活発化しているわけです。
自律神経の中でも特に髪の毛の成長を司っている副交感神経という神経は「夜、眠っているとき」でなければ活発化しないという特徴を持っています。
「夜」かつ「眠っているとき」でないといけないので、昼夜逆転の生活を送っていたり、毎日夜更かしをしていたりすると副交感神経が活発化せず、毛に成長命令を下すことができなくなってしまうのです。
日常的に強いストレスを感じ続けることによる自律神経の乱れ
睡眠の項目でも解説したように、私たちの髪は自律神経の成長命令がなければ成長できません。
なので、髪の毛が成長するためには自律神経が正常にはたらく必要があるわけなのですが、自律神経はあまり強靭な神経ではないため、強いストレスを長期間感じ続けていると正常にはたらくことができないんですね。
強いストレスを日常的に感じていると自律神経が混乱して、たとえ夜に寝ていてもはたらかなくなってしまうことがあるのです。
ストレスと髪の毛の関係については「ストレスで髪の毛が抜ける!?ストレスと抜け毛の関係を解説!」の記事が詳しいのでこちらの記事をご覧ください。
びまん性脱毛症の対策
栄養失調の対策は健康的な食生活!
髪の毛への栄養を不足させないためには毎日バランス良く栄養豊富な食事を摂るよう心がけることが大切です。
何を食べればいいのかわからないと思うかもしれませんが、別に髪の毛を劇的に成長させる食生活なんて存在しないので何を食べてもOKです。
ただ単に「食事制限をしないこと」と「偏食しないこと」を心がければそれでいいのです。
よく、髪の毛にいいからと亜鉛やミネラルばかりを摂っている人がいますが、特定の成分だけを大量摂取することは身体によくありません。亜鉛は人間に欠かせない栄養素ではありますが、あまりにも大量に摂りすぎると逆に健康被害が起こります。
食事と髪の毛の関係については「髪に良い食材でハゲを防止する!?ハゲ・薄毛予防に効く食生活で育毛しよう!」の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考にしてください。
毎日夜間に十分な睡眠を!
髪の毛を成長させるためには夜間に睡眠を取ることが髪の毛の成長に欠かせません。ですので夜にはしっかりと眠るようにしましょう。
具体的に何時から何時まで寝ればいいのかについては諸説ありますが、最近の研究では最低でも7時間半の睡眠が必要不可欠という結果が出ています。
なので、翌日の起床時間から逆算して7時間半の睡眠時間を確保できる時間に寝るのがいいでしょう。
睡眠と髪の毛の関係については「寝ないと髪は育たない!自律神経がもたらす眠りと抜け毛の関係と、育毛のための睡眠方法を徹底解説」の記事でも解説していますので、より詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
定期的なストレス解消で自律神経の乱れを防ごう!
自律神経を混乱させず、正常に働かせるためには強いストレスが日常的なものにならないことが重要となってきます。
ですが、ストレスを完全に生活から除外することは現実的には不可能ですよね。誰かしら毎日なんらかのストレスは感じているはずで、それをこの世から消すなんてことはできません。
なので、ストレスを感じないようにするのではなく、ストレスを発散することを心がけましょう。
自律神経にとって悪いのはストレスを感じることではなく、"日常的に"ストレスを感じることです。
初めからストレスをゼロにすることを目指すのではなく、ストレスが増えたらその分だけ減らすことを意識していきましょう。
AGAによる生え際の後退をこめかみのハゲだと勘違いしているケース
側頭部やこめかみのハゲはAGAでは起こらないと断言しましたが、側頭部・こめかみにハゲができたと思っている人がAGAであるパターンも実は存在します。上の画像のように生え際の後退が頭頂部付近まで来ている場合です。
男性特有の薄毛であるAGAは、症状のひとつとして生え際の後退を起こします。前髪の生え際が徐々に頭頂部に向かって後退していき、おでこがどんどん広くなっていくという症状です。
このとき、AGAで後退した生え際が側頭部に近くなると「側頭部がハゲた」と勘違いしてしまうことがあるんですね。
実際には側頭部がハゲているわけではないのですが、位置的に側頭部がハゲたように思えてしまうわけです。
AGAは生え際が後退しておでこが広くなったり、頭頂部のつむじが広がるように薄くなっていくという特徴を持っています。
もし側頭部のハゲだけでなく生え際の後退や頭頂部の広がりといった症状が出ているならAGAの可能性が高いことは覚えておきましょう。
AGAの原因
AGAは「男性ホルモン受容体」という体内のシステムが「DHT」という男性ホルモンと結びつくことによって抜け毛を引き起こす「脱毛因子」を作り出すことが原因で起こっています。
たとえるならAGAの人の体内では「男性ホルモン受容体+男性ホルモン=薄毛」という方程式が組み上がっている状態なわけです。
男性ホルモン受容体が脱毛因子を作り出すかどうかは遺伝子が大きく関係していて、生まれつき脱毛因子を作りやすい人と脱毛因子を作りにくい人がいます。
脱毛因子を作りやすい遺伝子を親から遺伝した人がAGAになってしまうわけです。
AGAの仕組みなどについては「AGA(エージーエー)とは?男性型脱毛症による薄毛・ハゲの原因と治し方!」の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
AGAの対策
AGAは薄毛治療専門のクリニックで医学的な治療を行うことで治せます。
というより、現代では医学的な薬を使う以外にAGAの進行を止める方法がないため、根本的なAGA治療を行おうと思ったらAGAクリニックに行くしかありません。
よく通販サイトで買った育毛剤を使っている人がいますが、残念ながら通販サイトで売られているような育毛剤にはAGAを治す効果がないんですね。
また、AGAは遺伝が大きく関係している薄毛なので、事前に予防しておくことも事実上不可能となっています。
ある意味、生まれた時点で将来薄毛になるかどうかがほとんど決まっているようなものなので、あらかじめ対策しておくことができないんですね。
将来的には遺伝子を治療することもできるかもしれませんが、現代の医学では生まれ持った遺伝子を操作することはできないのです。
治療について詳しく知りたい方はAGAの治療法をまとめた「AGAの医学的治療まとめ」の記事を参考にしてください。